1.《ネタバレ》 あれ、俺が初めてのレビューなんだ。なんかちょっと意外。。。
さて中身のほうですが、3つの内1つ目の話はなんだかやりきれない話でした。かつては神の声を持つと言われていたアブドルはその声を失ってしまったが、それでも彼を支え続けていたイルクヌールと若者の二人。しかし、もはや礼拝に訪れる者もほとんどいない状況に、「これ以上続けさせるのは不毛だ」と言う若者に対し、「止めさせたら彼は死ぬわ」というイルクヌール。若者にその気は無かったかもしれないが、結果として声を出さなくなったアブドルの代わりを彼は務め、そしてイルクヌールは若者がアブドルの生きがいを奪ったと思い決別。どうしてもアブドルにその役を続けさせたかったイルクヌールと、代わりの役をしてでも礼拝に人がいっぱい来てくれるのを願った若者。どちらの気持ちもわかってあげたいのに決裂する二人を見るのはつらいものがありました。
2つ目はあまり好きな話ではありません。自然と共に生きる人の中でなんで文明人が嫌われるかがわかったような気がします。外交官の妻と言う女性は物語的に実際はどういう位置付けの役割なのか知りませんが、勝手に人の家に押しかけて写真を物色するわタバコは吸うわろくな人間じゃありません。一時は彼女に溺れて家を出た彼も、その後家に戻って変わり果てた家と老人の姿を見ればとても後悔するでしょう。
3つ目はリアリティ濃いし救いようないし、正直楽しめませんでした。人を見る目を養えと言うことでしょうか。
ラストでの凧船とでも言うのでしょうか、あれには魅了されました。そのまま希望の国・マゴニアに行ってしまったかのように消えてしまったおじいちゃんはとてもほがらかで、死んでしまったと解釈した後には深い余韻が残りました。
オレ的には1つ目8点。2つ目3点。3つ目4点。ベースとなるおじいちゃんと息子の物語は8点。平均して5.6点ってとこでしょうか。四捨五入して6点にしとこ。