2.ハードボイルド喜劇とでも言おうか、男っぽさをコメディの中で見せるこの手のジャンルは一時期流行ました。かっこ良くキメても欧米人のようにはキメられず、その照れ隠しに喜劇がピッタリはまる、といういかにも日本向けジャンルで、既に日本においては古典ジャンルといってもよい。その代表が「傷天」であり、その後の「あぶ刑事」であるのでしょうが、これらの特徴として必要不可欠なのが主役のキャラの面白さだと思うのですが、ぐるぐるさんも書いておられますように、今作の主演二人のキャラはけして濃くはない。むしろ薄い。哀川翔のこれまでVシネで培ってきたキャラの濃さを考えれば、あえてそうしているとしか考えられない。つまりはキャラで勝負しない。ストーリーだってベタベタである。つまりストーリーでも勝負しない。ただ、自転車で疾走する二人を見てくれと。そのときの生き生きとした背景を見てくれと。ブツを絶妙!にキャッチし損ねる瞬間を見てくれと。二度目のブツと人質の交換シーンのバカバカしさと緊迫感が同時に襲ってくる感覚を味わってくれと、、、そういうことなんじゃないだろうか。私的には、笑いがもう少しツボをついてくれたら言うことなかったんですが。