1.かなりレアな映画であることは間違いない。しかし激しくアレな映画でもある。や、別にストーリーは変ではないし、荒唐無稽なジャパニーズエキゾチズム(なんだそりゃ)もそこまで大げさではない。「サムライ、ハラキリ、ゲイシャ、ニホンジンミナキチガイネ!」みたいな西洋のバカバカしい視点を想像していたが、むしろ江戸時代の日本人の精神性をフリッツ・ラングがそれなりに表現しようとしている雰囲気があることに驚いた。坊主=エロの図式とか、いったい誰が教えたんだろうか。ラングはおそらく日本が好きなんだろう。そしてヨシワラはもっと好きなんだろう(メトロポリスを見よ(笑))。アレな映画と書いてしまったが、それは日本人として無意識に感じてしまう違和感を映画の文脈の中に混合してしまったからかもしれない。もっと純粋に、フリッツ・ラングの飽くなき好奇心にアンテナを当てていれば、「ドクトルマブゼ」とか「スピオーネ」で感じた興奮を味わえたのかもしれない。反省。でも、やっぱり変でしょ。 だから、やっぱ10点。