8.《ネタバレ》 宗教とは一体何なのか。人を苦しみから救い心に安らぎを与えるものでありながら、それで苦しむ人々もいるし、違う信仰の者や国が互いを憎み合う原因にすらなってしまう。本作で描かれる家族と愛し合う2人も互いに平行線をたどるばかりで理解し合えることは難しかった。しかし誰も責める気にはなれなかった。本作に出てくるような家族や小さなコミュニティも、国際社会も、本当に難しい問題です。タイトルだけ見ればやさしいラブストーリーのようですが、他のケン・ローチ監督作品にも見られるように、描く対象への愛おしさが感じられながらもズシリと見る者の心に訴えかける力を持った、強く愛し合う2人を描いたラブストーリーであり家族のドラマでした。 【とらや】さん [DVD(吹替)] 7点(2011-05-05 20:43:25) |
7.《ネタバレ》 価値観や文化を宗教抜きにしては語れないということなんでしょうか。日本では外国人と出会う機会があまりないので実感が湧きづらいですが、あえて例えてみれば、日本人がザンビアの人と結婚するとかそんなイメージですかね。僕は、人間の愛なんて、そんなしっかりしたものではないと思うので、許嫁がいるのであれば、そちらを選びますけどね。人は一番大切な人と一緒でなくてもいきていけるものだと思うので。ちょっとこの映画の二人は、強引過ぎると僕自身は感じてしまい、美しいラブ・ストーリーですが共感できませんでした。 |
6.《ネタバレ》 大好きなケン・ローチの映画の中でも一番苦手な映画。いつものように人種や宗教などの違いなどからくる差別や偏見を扱っていますが、この映画に関してはみんなが自分の幸せばかり押し通しすぎです。あまりにも自分の立場を考えてと主張しすぎる人が多くゲンナリでした。他の人の幸せのためにと身をひく慎ましやかさに感情移入しやすいので、こういう映画は嫌いです。エジンバラの大学に行く妹と、学校長はのぞいて、みんな不幸になればいいと思ってしまいました。 【omut】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-11-12 23:13:06) |
5.《ネタバレ》 凄くヘヴィなラブストーリーですね・・・・・。文化(東洋と西洋)や宗教(イスラム教とキリスト教)の違いを乗り越えるのは、さすがに厳しいですよね。 それにしても、主人公の男がちょっと情けなさ過ぎでしたね。家族を取るならきっぱりと恋人と別れればいいし、恋人を取るなら家族にはっきりと言えばいいいのに、どっちつかずでフラフラしているから皆振り回されてしまって悲しい話になってしまったような気がします。余程、妹の方が肝がすわっていたように思いました。(まあ、女性は強しということなんでしょうか・・・・・。しかし、カトリックスクールに通うイスラム教徒のレンジャーズサポーターっていうのも凄い設定ですねw) しかし、よくよく考えてみたら主人公の恋人のほうもアイルランド系の移民なんですよね・・・・。もう少し彼女の生い立ちの部分をとりあげても良かったかなと個人的には思いました。 ラストはとても上手くまとめていて、とても爽やかな仕上がりになっています。 【TM】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-12-05 19:35:23) |
4.《ネタバレ》 好きという気持ちだけじゃ一緒にはなれないという事を痛感した。宗教ってなんだろう。あの2人はずっと幸せでいられるのかなあ。繰り返されるセックスシーンで、「愛の深さ」と共に「肌色の違い」を表すあたりが上手。 ケン・ローチの映画はヒリヒリと、黄色人種である自分の肌まで刺激する。価値観の違いを乗り越えて、人生を共にすることはとても素敵なことだと思う。 【アンナ】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-11-24 23:47:36) |
3.民族や宗教って本当に人を苦しめる。 好き勝手にやっている人のせいで、親に従順に生きている側が割りを食ってしまう・・・。 どっちが良いとか悪いの判断は、立場が違うのでできないけれど、いろんなモノに縛られて人は生きているんですね・・・。21世紀なのに・・・。 【さら】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-07-03 15:19:22) |
2.こんな事書くと「またか」と言われちゃいそうだけど(で、そう言われちゃったら「またです」って答えるだけだけど)、この作品、ほぼ同時期に作られ公開された「パッチギ!」と、驚くほど共通点が多い。「音楽」をきっかけに知り合う、文化も人種も異なる男女の恋、そしてそこから見えてくる壁、そして軋轢。このケン・ローチ作品は基本的に静かなトーンで「パッチギ!」ほどハデな展開はなく、また明快な「希望」も明示されることはない。ただ、カメラを通して伝わってくる登場人物への「まなざし」はあくまで優しい。「人種問題」という政治的なテーマを扱いつつも、単なるイデオロギー的作品に陥るのではなく、根底には「人間」に対する愛情と信頼が溢れている。9.11後(←という言い方は何だか陳腐で、頭の悪いニュースキャスターのコメントみたいではあるが)、日本とイギリスという離れた国で、このように共通のテーマを持った作品が作られたのは、決して偶然ではないと思う。 【ぐるぐる】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-06-02 18:30:30) |
1.ケン・ローチが得意とする下層階級ものではありませんでしたが(むしろちょっと上)、高いハードルと越えられない壁があるのはいつも通りでした。時代に緩和され共同体に違和感を覚え始めた新世代と歴史を苦労して生きてきた人間との摩擦がありありと描かれています。幸いにも人種や宗教問題などと無縁で呑気な日本人である私には理解し難いことでしたけど、若者の自由奔放さが束縛されたり敬遠される世代間の衝突は次元が違えどよくあることで、囚われにもどかしい気持ちになります。そしてその呪縛がどんな困難な障壁であれ愛で突き崩すあたりにケン・ローチのヒューマニズムを感じます。瑞々しい生身の生命力あふれる人間を描かせたらローチの右に出る者はないでしょう。彼の作品を観るといつだって胸に突き刺さるような思いがします。それからカシムやロシーンを演じるのはやっぱりほぼ素人俳優さんなんでしょうけど、どこか現代性の雰囲気があり慣例との不釣合いを醸し出すので良いですね。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-04-24 17:17:28) |