18.《ネタバレ》 いやもう、キリアン・マーフィー渾身のおネエぶりにただただ脱帽。終盤へ向かうにつれだんだんメイクの腕が上がって?、ゴージャス美人に仕上がってんの。この完成度の高さよ。 キリアン扮するキトゥンはナイーブでとても優しい。このタイプの人にありがちな迫害にも遭いますが、いつも健気に明るい。痛々しいほどに。ただ、全体の筆致は軽くさくさくと展開し、キトゥンにしても幼なじみの友人たちとはずっと良い関係だし実父とも和解できたりするのですよね。ラストの妙な明るさは不思議なくらい。 喜劇と言うにはつらく、でも悲劇という言葉もキトゥン自身が否定しそうな、ちょっとどこに観方を置いたらいいのかわかんなくなるような不思議な感触のお話でした。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-06-03 23:26:06) |
17.《ネタバレ》 「プルートで朝食を(Breakfast on Pluto)」この素敵な響きからもっと別の物語を予想していましたが、まさかの「キトゥン」の映画でした。しかしパトリック‘キトゥン’・ブレイデン(キリアン・マーフィ)の演技が上手すぎるので、ただのオカマ映画にならず彼女(彼)の自叙伝としてきちんと芸術作品に昇華しているのは流石でした。 章立てでかなり細切れな演出ですが、これのせいでちょっと集中力を削いでしまっていますが、キトゥンの半生を足早に説明するには仕方がなかったのかもしれません。オープニングの乳母車のシーンから映画に一気に引き込まれますが、その流れが理解できるのはほとんどラストになってからです。途中途中にも沢山の素敵なシーンはありますが特に終盤、ブランコに乗っている彼女(彼)にマジックミラー越しに両親の秘密が明かされるシーンは素晴らしい。本来なら告解を聞く側のリーアム神父(リーアム)がマジックミラー越しに息子に対して告解を行うシーンは素晴らしいとしかいいようがありません。 また、彼女(彼)のライフワークであった”母を探す”旅が終る時も感慨深い。彼女(彼)が保守的で女性的なオシャレをして母に会いに行くシーンには泣かされます。ラストは笑顔も涙もないのですが、母に自分の正体を明かさなかったのは良い選択で、何だか凄く清々しく綺麗にまとまっていたと思います。そう何度も見たい映画ではありませんが、映画好きなら一度は見ておいたほうが良い素敵で意味深い作品でした。 【アラジン2014】さん [地上波(字幕)] 8点(2022-06-24 20:50:24) |
16.趣旨不明な細切れシーンを2時間以上にわたって見させられる、非常に辛い作品。あの異様に細かい章立ても、何で必要だったんだろう?この監督でこの主演なんだから、もっとじっくりどんより落ち着いた作品を期待していたのですが・・・。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 2点(2018-01-26 23:50:51) |
15.キリアン・マーフィーを観ると思い出す作品。私の中では彼の代表作です。彼の印象が強過ぎてストーリーにインパクトが残ってませんが。 【movie海馬】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-11-23 23:02:45) |
14.パトリックの不幸な生い立ちもそうだし、その後の展開もニール・ジョーダンの他の作品でも見られるアイルランドの現代史を絡めたりもしている。しかし本作は悲観的ではなく、重さも感じさせない。 パトリックの淡々とした前向きな生きざまと、彼が出会う人々とのコミカルな描写、小鳥たちの会話のファンタジー的要素が作品にいい明るさをもたらせています。オープニング、そしてラストにも使われる“シュガー・ベイビー・ラブ”の爽やかなメロディも実に効果的に作用しています。 「ティファニーで朝食を」を連想させるタイトルに、終盤のマジックミラー越しの会話はヴェンダースの「パリ、テキサス」を思わせる。他にも「南太平洋」とミッツィ・ゲイナーなど、ニール・ジョーダンの様々な映画へのオマージュも感じられる作品です。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-10-13 14:11:16) |
13.あのキリアン・マーフィがだんだん美しい女性に見えてくるから不思議です。キトゥンこと彼は決して人間を嫌いになりません、誰も「愛」していました。あんな尋問をされても、椅子を整然と並べて回る、ある感情が欠如していたのかもしれない、そう、母親や父親を「憎む」ことを知らなかったように。「キンキーブーツ」や「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」とはまた違う表現の仕方を「彼女」は持っていたように思います。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-07-11 16:04:56) |
12.《ネタバレ》 ミュージカルなコミカルな部分を挿入し、まるでファンタジー。そう、ファンタジーに語らなきゃやってられない人生、悲惨でも物語にすれば何とかやってけるかもです。そんなキトゥンの現実逃避法は、キッチュでありながら感じ入るものがある。シリアスを避けながらも、終わらせて欲しい気持ちをふとした瞬間に覗かすキトゥンと、でも残って前を向くキトゥンに、心動かされました。アイルランドの社会的背景なども描写してるのも良い。そしてキリアン・マーフィー、素晴らしいですねえ。制服姿はちと無理な気もしましたが。何気にブライアン・フェリーも出ててビックリです。 【泳ぐたい焼き】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-09-01 23:24:01) |
11.見てるうちにキトゥンがだんだん綺麗に見えてきてしまった。登場人物みんな心に深い傷を負ってるけど前向きに生きてるっていうようなエンディングで、後味はまあ悪くないですね。感情移入はできなかったですけどね。。。 【カルーア】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-03-11 18:54:38) |
10.ゲイの方の、一つの生き様をみたような感じ。確かに、ちょっと突拍子もない感じもあったけど、終わり方も良かったし、よかったんじゃないでしょうか。 【bluestar】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-01-30 23:10:18) |
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9.《ネタバレ》 キトゥンのしゃべりや風貌は気持ち悪く、周りの冷たい視線の描写は見ていて いたたまれない気持ちになってしまいます。 トラブルには勝手に巻き込まれていくし、こんな人が周りにいるとリアルではたまらないです。でも、面白かった。いろんな人の懐に飛び込んで味方もつくるし強い人だと 感情移入してしまいました。最後はなんとなくハッピーな気持ちになれました。 【飴おじさん】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-09-30 15:00:28) |
8.《ネタバレ》 ジョーダンいわく「哲学的思考への恐るべき無関心により、悩むことなく幾多の困難をかいくぐる」のがパトリックという性同一性障害者だ。「おお、なるほどう」とうなずく。そうそう、パトリックというのは、「この人生は〝冗談〟としか思えないので、〝真剣〟になど生きられない」が信条なのである。 その理由は、「破戒神父と小間使いがデキて生まれたのが自分」で、「母はバスケットに入れて自分を捨てた」であり、「なんで女の子の体に生まれなかったの」であり、よって「神様は〝冗談〟で自分をつくった」になるからである。「真剣になんて、生きられない」だ。よって題名も有り得ない場所で朝食なのだ。 が…個人的には、キリアン・マーフィー演じるパトリック(意地でもキトゥンなどと呼ぶものか)というのが、どうにも「正視しがたい」不快きわまりないキャラだったのだなあ。 「エグい」というのが、一番当たっていると思う。 「常にクネクネする」「常に上目遣い」「常に囁くように話す」「常に媚び全開」ってそらー、フツーの女は、そんなもんかい?ええっ? 濃すぎるのだ。過剰なのだ。何がって「女」があ。 そんでまた、キリアン・マーフィーの女装というのが…ビジュアル的に、キッツい。オカマ、NO。 私は「クライングゲーム」には感心したのだ。ジェイ・デビッドソンは女に見えなくとも美しい。見ているだけで、ありがたい気がする。 パトリック、それは、汚いオカマ(ああ、言っちゃった許して)。 それに私は、基本的に悩まないやつが好きじゃあない。冗談でしか生きられないやつは、脇ならまだいいが主役にしてほしくない。 あと…リーアムの破戒神父は、小間使いを孕ませて、そ知らぬ顔で20何年神父を続けているのはなんだ?神父だろ? よって視聴後に果てしなくむなしい疲労感が…。「意地でもキトゥンなどと呼ぶものか(あんたの冗談にはつきあえない)」 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-05-12 21:01:25) |
7.導入の「シュガー・ベイビー・ラブ」で完全につかまれました!好きなラストシーンならず、好きなイントロの映画5本の指に入るでしょう。2匹のコマドリ(?)もいいですね。細かく区切られた構成に徹したことも成功していたと思います。ニール・ジョーダン監督にはIRAものが多く悲しい話になりがちですが、人生にせまりつつもドライな感じで好きです。 【ETNA】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-05-08 15:07:57) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 なんだか不思議な感覚が残る映画だった。決してつまらないわけではないのに、どうも主人公と物語に同調できなかった。「愛」ただひとつそれだけ求めて生きている主人公キトゥン。彼が主体性無く木の葉みたいにひらりんゆらりんと生きている姿はなかなか悲しい。このさみしんぼちゃんの人生背景には、差別と北アイルランド紛争の悲しい歴史が敷かれている。それでも目標めがけて突っ走るでもなく、自分を慕う幼なじみや父もちゃんと存在したりで、冷たさ、厳しさ、温かさの感触が宙ぶらりんな印象。でも、あのごつい輪郭でゲイを演じたキリアン・マーフィは一見の価値あり。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-03-18 17:20:09) |
5.《ネタバレ》 まさに、華やかでちょっとグロテスクな妖艶さを醸し出すグラムロックのような世界ですね(T.REXの曲も使われてますし)。映像や音楽の使い方もとても素晴らしくて、北アイルランド紛争という非常に重く暗い世相が背景にあるにも関わらず、とてもポップな仕上がりになっています。 ストーリーはちょっと変わった御伽噺といった感じです。見終わった後、じんわりと心地よい余韻が残る素敵な映画でした。 【TM】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-02-11 12:39:40) |
4.ニール・ジョーダンの作品は『ことの終わり』が好きですが、この作品もいいですねぇ。キリアン・マーフィにやられてしまいました。演技がうまいですよね。『真珠の首飾りの少女』でスカーレット・ヨハンソンの相手役だった少年とはまったく別人。制服のセーターやズボンにひそかにスパンコールやビーズが縫い付けられているのだけれど、あれは誰のアイディアなんだろう。だたお洒落というだけではなくて、IRAといった政治背景や親子関係・友人関係が嫌味なく自然に描かれています。音楽の使い方も最高! 【もっちー・Ⅰ】さん [DVD(吹替)] 8点(2007-01-30 21:50:07) (良:1票) |
3.泣きました泣きました。「トランスアメリカ」と1日置きに見たのが良かったのか(?)もうドつぼです。愛しても報われず、IRAのスパイ に間違えられても厭わず、ああ、なんて愛おしいヤツ・・・・・。儚げなのに強靭、いい加減なのに懸命、ピュアなのにしたたか。こういう人に私はなりたい・・・・かも。主演のキリアン・マーフィー「パニックフライト」ではかなり気持ち悪い。でもメチャ素敵! 【showrio】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-11-10 11:12:52) |
2.《ネタバレ》 すごい!キリアン・マーフィってば、完全に女!しぐさも歩き方もしゃべり方も!体もほっそいし! しっかし人生色々ありすぎだよなぁ。ああいうキャラなので、それも不思議でない感じに思えてくるが。この監督って中島哲也監督のファンだったりするのかしら?それとも逆?いくつかシリアスな場面もあるけど、それ以外はコメディタッチで、章で場面を区切り、上手く進めています。個人的には最後の、コマドリが開けた穴から牛乳を注ぐ場面がかなり面白かった。 それにしても、主演のキリアン・マーフィのなりきりぶりがすごい。本当の彼を知らないけど、オカマちゃんじゃないとしたらものすごい演技力!気持ち悪くないオカマちゃんです。 【にゃ~】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-10-11 23:19:42) (良:1票) |
1.監督はこの映画に愛を込めて作ってるなって思いました。主役のパトリックは‘奇妙’であるがゆえに世間から人以下のカス扱いされて、底辺で生きてはいるけど、どんな境遇に会っても笑って前向きに過ごしているところに頭が下がります。観てヨカッタ♪ところで、主役のキリアン・マーフィーのウエストは尋常じゃありません・・・。 【さら】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-10-05 14:54:30) (笑:1票) |