1.《ネタバレ》 タイトルの意味は、「遠藤さんのいる所」あるいは「縁(えん)のある所」だそうです。同じ脳性まひの障害を持つ人々をとりあげた映画では、原一男監督の「さようならCP」がありますが、あの過激さ、メッセージの強烈さとは全く対照的に、寝たきりの遠藤さんと介助者の若者たちの日常風景や会話などを静かに淡々と写しています。介助役の若者にとって「えんとこ」は学校のような存在である、というところに興味を持ちました。彼らにとっては、遠藤さんは介助する対象であると同時に、自分らが助けられる、教えられる先生のような存在なのでしょう。こうした一方的に助ける、助けられるという固定化した関係を超えたものを介助者と被介助者が創り出せるということは、とても重要なことだと思います。