1.《ネタバレ》 コメディ映画を楽しむためには、前提として登場人物のキャラクターに、ある程度の親しみというか魅力が感じられなければならないと思うが、この映画にはまずそれがない。主役のドクター・エス演じるデイモン・ウェイアンズは、滑舌が悪く、妙に甘ったるい声がキモい。ニヤけた面に、たるんだ腹、そしていつもラリっているような目。相当、キモい。笑うというよりも引いてしまう。一方、相方のリサ・クードローは、とにかくテンションを上げとけば笑いがとれると勘違いしているようで、中身が無い。役者に魅力がない以上、ストーリー(ネタ)で笑わすしかないが、これが役者以上にサムい。とにかく何かというとすぐ下ネタに頼ろうとする。これは、創り手に「笑い」についての自信がないからで、コメディ映画としては致命的。1、2回なら笑えるが、あそこまで連発されると、さすがにウンザリする。また腕に痛覚障害のある子ども達の慈善パーティーで、舞台に子ども達を上げ、その腕をフォークで刺してみせるシーンも、ブラック・ジョークにしてはセンスが無さ過ぎる。胸糞の悪さだけが残る。何から何までスベリまくりの中、唯一笑えたのが、主役2人を追い落とそうとするスピンクル議員が踊り狂うシーンとは、何たる皮肉!トホホ…。