1.あららららら・・・当時全盛期のジョン・ヒューストン監督ともあろう方が・・・やっちゃいましたね~これはっていう珍作。全編日本オールロケーションはいいとして、台詞監修として衣笠貞之助監督がクレジットされているにもかかわらず、怪しげなイントネーションを操る人物が堂々と出てくるのはどういう事なのか?召使が中国風の弁髪姿なのは何かの時代考証の間違いなのか?日本人スタッフはアメリカ民主主義におもねるばかりで、誰一人としてなんで「これ違いますよお」って一声かけなかったのか?色々な疑問点がふつふつと沸いてきます。唯一の救いは敵役下田奉行田村役山村聡が、ジョン・ウェインに決して貫禄負けせず、堂々と英語の台詞を流暢に使いこなし演じていた事くらい。なんてったって原題が「野蛮人とゲイシャガール」であるからして、はなっからアメリカ人受けするエキゾチズム満載の時代劇を製作するのが目的、そう思って見る分には腹も立ちません。おそらく「唐人お吉」の史実ともかなりかけ離れているはず。チグハグな部分を笑い飛ばせる余裕のある人なら楽しめるかと思います。でもこっから『ラストサムライ』までの道程は長かったんだなあ・・・。