1.ピーターの池畑慎之介名義での演技をこの作品で初めて見たのですが、演技でもこんな「男らしい」一面があるのだと意外でした。青木雄二の短編作品『淀川河川敷』を原案にしたということで、エピソードやキャラ設定にもある程度色づけがされていることと思います。この映画が初監督作品となった白岩久弥氏には、多額の所得税と法人税を脱税したとして、02年にテレビ局退社、その翌年には映像製作会社を懲戒解雇されたという経歴があるそうです。「オレも過去にいろいろあったけど、人間はいつだってやり直せるんだよ」という自らの思いを池畑慎之介演じるユウや、主役の尚樹に込めたのかもわかりません。あと劇中の、マンションのベランダを蜂の巣箱に見立てた矢部がつぶやいた「働いてまた巣箱に戻って・・・・」のセリフのあとの「こうやって蜜を貯めていくんや」というやりとりは心に残りました。他人がどんな生活を営んでいようとも、それが幸せかどうかなんて結局のところは本人にしかわからないのですよね。スタッフの名とともに携帯の画像を添えて、余韻にひたれるエンドロールもよかったです。これからも忘れられないであろう、印象的なあのセリフにプラス1点。