アラカルト・カンパニーのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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アラカルト・カンパニー

[アラカルトカンパニー]
1987年上映時間:98分
平均点:8.00 / 10(Review 1人) (点数分布表示)
公開開始日(1987-11-14)
ドラマ青春もの
新規登録(2008-02-08)【やましんの巻】さん
タイトル情報更新(2009-04-18)【すぺるま】さん
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監督太田圭
キャスト尾美としのり(男優)浅野雄一
今井美樹(女優)山尾鈴香
嶋大輔(男優)岡本隆彦
原田芳雄(男優)早乙女吾郎
もたいまさこ(女優)
黒羽舞(女優)
脚本太田圭
撮影鈴木達夫
製作前田勝弘〔製作〕
企画前田勝弘〔製作〕
配給東映(東映クラシックフィルム)
編集川島章正
照明水野研一
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1.パリの地で、邦人相手の「便利屋」をこなしながら、デラシネ(根無し草)のように生きる主人公たち。尾美としのり、今井美樹、嶋大輔が演じる彼らは、何ものによっても連帯せずひとりひとりバラバラでありながら、その「独り」であるという意識において“連帯”している。そして、そんな彼らのゆるやかな結びつきこそが、この映画の、コミカルすぎずシリアスすぎない独特の「空気感」を醸し出すものに他ならない・・・。

これが劇場用映画の監督第1作となる太田圭は、自身のパリ滞在体験をモチーフに脚本を書き上げたという。その前の世代のように、海外滞在に何の特権性も希少価値も付加できず、その後の世代のように「自分さがし」の口実にすらならない、「ただ、何となく」といういい加減さというか中途半端さに、彼はじゅうぶんに自覚的だ。そこには希望も絶望もなく、自由も不自由すらもない。その中間をふわふわと浮遊する自分たちの、昨日に続く今日が、そして同じような明日があるばかり。たぶんそれは、パリじゃなく、これが東京でもニューヨークでも同じことだったろう。あの頃の「ぼくたち」は、本作の主人公たちと同じようにただ“浮遊”していた。漂っているという、意識だけがリアルなものとしてあった。この映画は、そんな「気分」をフィルムに定着してみせた、ほとんど唯一のものだと、あらためて思う。

そう、これは時代がバブルに突入する直前の、ぼくたちが「新人類」と呼ばれたあの頃の、ほぼ完璧な〈自画像〉だ。主人公たちの「ダメさ」を自嘲的に笑い、チクチクと胸をさす“痛み”を共有しつつ、この傑作でもなんでもない、けれどこの、ぼくでありキミやアナタの精神的ドキュメントを「見た」ことの記憶は、ムラカミハルキとミヤザキツトム(!)の“間”という、真の意味で「同世代人」の表現者=作品を持ち得なかったぼくたち1960年前後の者にとって、この上なく貴重なものだと、今更ながらというか、今だからこそ思うのだった。

最後に、この映画の今井美樹は本当に素晴らしい。彼女が見せる喜怒哀楽の表情こそ、ただ息をつめて見守り続けるしかない最高の〈スペクタクル〉だ。その記憶においてだけでも、ぼくにとってこの映画は“永遠”です。

《追記》劇場公開以来ずっと再見を果たせていない映画だけど、やっぱり深く愛着ある映画なので「7」を「8」に変更。ああ、見たいなぁ~。
やましんの巻さん [映画館(邦画)] 8点(2008-02-12 17:22:43)
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【点数情報】

Review人数 1人
平均点数 8.00点
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600.00%
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