2.《ネタバレ》 これは、本当にデジタルで撮られた映画なのだろうか。
まるで昔のカメラで撮ったかのような奥行きと映像美が拡がっているではないあ。
そう、今の時代には失われてしまったロスト・テクノロジーとでも言うべきか。
「ペドロ・コスタ」は、絶望に沈むある街で生きる人々を描くのだ。
消えゆく孤独な魂、消えていく土地の哀しみを・・・。
かつてロバート・フラハティは「極北のナヌーク」を撮った。
イヌイットと生活を共にし、彼らの生きた姿をフィルムに残した。
日本の小川紳介もまた。
ペドロ・コスタは、この時代にその域まで己の精神を研ぎ澄ました作家と言えよう。
作品は一見すると楽しみづらいかも知れないが、ドキュメンタリーとしても、一つの娯楽としても是非とも見て貰いたい作品だ。