1.監督、小川紳介が山形県は牧野村(マギノ・ムラ)に移住し、執念で取り上げた土着ドキュメンタリーの金字塔。
その尺、実に222分!
しかし、しかし、それ以上にヤバイのが、そのつまらなさ。
これほどまでに「映画」というものを苦痛に感じた経験は過去にない。
退屈を超え、もはや辛抱の領域に達していた。
内容としては、「1.稲の収穫の様子をオタクっぽい青年達が熱く語る」「2.村に伝わる伝承や神話を、じいちゃん、ばあちゃんが方言で熱く語る」「3.俳優を起用した意味の分からない時代劇」の3部構成である。
この3つが入れ替わり立ち代りで、222分。
全てつまらないのだが、特に最悪なのが、俳優を起用してまで作り上げた時代劇の様な部分。
極めて悪質に退屈。
結果として、小川紳介が自己満足的に作り上げたドキュメンタリーという内容で、部落の歴史や伝承などに興味を持っている人意外には、決して優しい作りではない。
特に私の様な、現代の東京に生まれ育った者にとっては、どうでもいい話で、そんな話を222分も見せ付けられたのでは堪らない。
映画、いや、ドキュメンタリー映画が嫌いになってしまう危険をも感じた、まさしく日本を代表する金字塔的ドキュメンタリーである。