1.《ネタバレ》 ジェイコブ刑事(スティーヴン・セガール)は子供時代に双子の弟を目の前で切り殺されるというトラウマに悩まされている。現在連続殺人犯を追っているが、そこに若い女性を杭で地面に打ち付け、その胸に起爆装置を埋め込むという事件が発生。当然連続犯の仕業と思うが、実は模倣犯ビリー・ジョーの犯行で、その場であっさり捕まる。連続殺人犯は別の殺人を実行するが、案外早い段階で犯人の顔割れがある。犯人は占星術に関するあるルールに則って犯行を行っているようだ。FBIのフランキー捜査官(プロファイラー)が捜査に加わる。
と、導入部分はよくできている。脚本を書いたセガールって才能あるんだって本気で思いかけた。だがこの後の展開がまったくだめ。模倣犯のはずのビリーが証拠不十分で釈放されるや、助けてくれた弁護士など3人をあっさり殺してしまう。そしてジェイコブの恋人のセリーヌ婦警も殺して部屋に忍び込み、ジェイコブを殺そうと待ち受ける。どういう行動原理をしているのだろうか?フランキーはまったく役立たずで、事件の終わり近くになって、犯人はジェイコブだなどと言い出す始末。占星術の謎も大したことはなく、謎解きのカタルシスがない。となると見所はアクションの部分だが、この監督はアクション撮影にコマ抜け、手ぶれ、顔アップを多用するので闘いの様子がよくわからない。かつ無駄に長いので、ジェイコブの強さが感じられない。瞬時に相手を倒さないとセガールのよさがでないだろう。
さて終わってみれば、ジェイコブはロシアに家庭を持っていて、そこに妻も子供もいることがわかる。なのにどうしてセリーヌと同棲していたのか?またその妻がなぜストリップのまねをして無駄に裸を見せるのか?意味不明である。
そしてトラウマの幼少時代の殺人事件は手付かずのまま。置いてきぼりをくうのは観客である。