1.《ネタバレ》 「1942年、官僚主義に支配された英国陸軍の総数は過去最大に…」とアニメーションで解説するタイトルバックは古さを感じさせず期待が高まるのですが、中身は全然面白くないのでした。大学生の主人公が招集されて陸軍に入隊しますが、どんくさい彼はへまばかりするというお決まりの展開です。主人公と対照的に要領がよい兵隊を若き日のリチャード・アッテンボローがアクの強いキャラで演じています。皮肉を利かせてコミカルに軍隊内の矛盾を描けば面白いのに、そこが中途半端でドリフのコントを見せられているみたいでした(決して、ドリフを貶しているわけではありません、念のため)。やがて伯父の少佐の計らいで主人公は特殊部隊に採用されますが、その作戦が敗戦も近いドイツ国内に潜入して美術品をかっぱらってくるというものなのですが、そこからご都合主義の展開になってゆきます。ドイツ将校役でこれも若きクリストファー・リーが出ていますが、「ウィッカーマン」でも感じましたが、ドラキュラでない素顔の彼って結構知的な紳士に見えます。50~60年代のイギリスの娯楽映画は日本では未公開だった作品が多いのですが、こんな珍品がソフト化されるとは意外でした。どうせなら、「暁の出撃(ダム・バスターズ)」を早くDVD化してほしいものです。