1.《ネタバレ》 動物がストーリーの中に出てくるだけで何かもう、必要以上にリアリティを感じてしまって余計に面白く感じられてしまうんですよね。
面白いと思ったのは、ドイツ兵が訪ねてきて倉庫に追いやられた黒人兵が、暴れて出てきた時のみんなで大笑いするシーンなんですが、画面の中ではみんな笑って大騒ぎしているのに観ているこっちは笑うに笑えず、いつ何がきっかけでドイツ兵の酔いが醒めるか、冷や冷やしながら観てました。
画面の中で起きていることと対照的な心理状態になって観ているというのが何か妙な感覚で、多分こんなシーンって他の映画でも結構あると思いますが、何故かこの映画だけは特に強く印象付けられた感じがします。
最後の方で、ドイツ兵が目を覚ます前に逃げる準備をしているときに、アメリカ兵が来て暴れたりしたせいで土地を手放すことになってしまって、何という巻き込まれ方だろうかとか、惨劇を食らって可哀想だとか思っていたのですが、そんな状況下でも「戦争が悪い」と言って彼らを庇うところが、この映画のタイトルが示す通り反戦映画だなぁと思いました。
映画の前半の方で色々と笑いをとったりしながらも、ラストでは一家の大黒柱を失うというこの落差が、より冒頭のナレーションで語られていたノンフィクション感を強めていて良かったと思います。