22.《ネタバレ》 「あるいは裏切りという名の犬」が浮かんだ邦題に惹かれての鑑賞。見たことあるお父さん役は「列車に乗った男」のジョニー・アリディで壮大な復讐劇に期待が高まります。仕事を依頼された三人組にボスを通さないで請けるのはヤミ営業で揉めるもとになるのではとふと思いました。この三人がなかなかに魅力的で更に期待が大きくなります。復讐のカタルシスが無い復讐劇となった終盤からの結末に唖然呆然、残念無念、嗚呼。 |
21.《ネタバレ》 これは面白い。どうしてこういうオナハシを思いつくんでしょうねえ。 いきなり殺人事件があって、子供と孫を殺されたオジサンの復讐劇なんだろうな、と思ってたら実際そうなんですが、オジサンが3人のヒットマンを雇うことで、彼らとの交流が物語の新たな一面となり、作品が異なる色調を帯びてきます。オジサンが作った料理を4人で食べるシーンが、その新たな色調を印象付けますが、それと同時にオジサンのワケありな過去が示されるシーンでもあります。 そんでもって、いよいよ復讐の時。これまたバーベキューという食事のシーンとなるのですが、気分的にも状況的にも、先の食事シーンのようにはいかない。 それでまあ、普通ならこの復讐シーンが物語のゴールなんだろうけれど、本作ではゴールどころか、ここで掟破りともいうべきとんでもない設定が新たに加わってくる。なんとオジサンは過去の記憶を失いつつあるらしい・・・。 となると、映画の主体はヒットマンの方に移ってくる。彼らもまたのっぴきならない立場となっている。そして彼らが繰り広げる、壮絶なクライマックス。なるほど、このシーンを撮りたいが故に、このゴミの山を舞台にしていたのか。 と、ここで終わってもよさそうなところ、さらに物語は続く。記憶をなくしたオジサンの復讐劇。それはもはや、怒りにも何にも裏打ちされていない、まさに復讐遂行マシンと化したオジサンが繰り広げる、何にもまして危うい復讐劇なんですね。 こんな復讐劇、見たコトない。新鮮で、鮮烈で、それゆえに、やけにスリリング。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2018-03-27 23:44:23) |
20.《ネタバレ》 幸せそうな家族が突然襲われる出だしは強烈です。一々カッコつけたようなセリフや仕草にそれなりの美学も伝わってきますが、死を賭した復讐にしては心に響くような描写が殆どありません。スカスカのストーリーを見続けていると途中からもうどうでもよくなってきます。 【ProPace】さん [地上波(字幕)] 3点(2018-03-13 23:14:00) |
19.そんなに面白くない。マカオが舞台になってるのだけが見どころ。 |
18.《ネタバレ》 まず邦題が格好良い。 これ「復讐」とか「ベンジェンス」なんかだったら味気ない。 男たちの表情、立ち姿がいい。これ、毎度のメンバーで毎度の感じだが、みんな期待してるのはそれっしょ。 ホテル内でコステロに拳銃を見られたところ、いい。 一瞬で、やばい、どうする、殺すか、ここでか?、みたいに3人で無言の会話。 地下通路でのシーン。リアリティはないけど格好いい。こういうの多くていいね。 襲撃された家に行き、3人でシュミレーション。プロの殺し屋感がここで演出される。 コステロがパスタを作って、皆で食べ、拳銃遊び。こいつら全員子供です。 バーベキュー場で3対3のにらみ合い。しびれますね。 闇医者の闇病院、ここで鉢合わせるいつものパターンも健在。 3人が死んでからは、珍シーンが連続して、ちょっと変な方向へ行くが、まあ多めに見よう。 【kosuke】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-05-14 22:25:18) |
17.《ネタバレ》 ジョニー•トー入門として見るには本作はけっこう良いんじゃないかと思う。ジョニー•トー的な男の友情や映像の格好良さとかツッコミ所がけっこう詰まっていて常連の役者も出ているし見やすくて面白い。まあ、最後の記憶喪失のコステロが仇討ちをするところは物語を重視するあまりなんだか多少無理があるように思ったけれど、物語に没頭しさえすれば大した問題じゃない。 【マー】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-12-20 10:24:46) |
16.《ネタバレ》 男同士の熱い友情、食事シーン、芸術的なまでの照明と撮影技術、激烈なる銃撃戦、バイオレンス描写など、いつもどおりのジョニー・トー印にはおおいに楽しませてもらったんやけど、海外資本が入っているせいかどっか無難な仕上がりで、『エグザイル/絆』のようなとことんまで突き抜けた感じがあらへんかったし、アンソニー・ウォンたちジョニー・トー組があっさりと死んでしまってからの盛り上がりもいまいち。主人公の記憶障害っちゅう設定もちょっと活きとらんかったしなぁ……。 【幻の『モンスター』】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-12-19 20:58:08) |
15.《ネタバレ》 ノンストップでスピーディな展開に惹き付けられるものの、ここで描かれる「男の世界」には今ひとつ共感や感情移入出来ない。復讐の気持ちはひしひしと伝わって来るものの、ヒットマンたちの死に様がどうにも受け入れられず、無駄に死に急いでいるとしか思えない。だから、その時点で作品世界から出てしまった。 更にはラストシーン。コステロの単独行動は無謀であり、仮に行為に走ったにせよ描くべきだったか。描くにしても長過ぎないか? やたらドンパチが激しいばかりで、少しずつ引いてしまった作品でした。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-11-13 21:46:42) |
14.《ネタバレ》 コステロ役の俳優さんの渋さ、顔のしわ、あの、目つき、昔の天知茂の様な目の強さ、アメリカ映画でいえば、ミレニアムのドラマに出ていた元刑事役の役者、その2人を漂わせる渋さ、彼を見ているだけでしびれました。また、月夜の銃撃戦、身内も含めて、やっちまえよ、と、見ながら思いました。また、3対4の撃ち合いなわけで、最初の1-2発が勝負だろうに、最初のタマがだれにも当たらないのは私的には疑問ですけどね。アメリカ映画なら、必ず最初のタマがあたっているだろうとは思っちゃいました。でも、映像の美しさ、銃撃戦の美しさ等、堪能して楽しめました。あの、彼の物忘れは認知症でもよかったのかな、なんて思ったりもしました。あと、稲藁を転がしての銃撃戦、3対20人位かな、だれか、右左に散るとかさもう一工夫あっても良いのかな、とか思いました。でも、最後のコステロの単独での親分との勝負、素晴らしかったです。あの妊婦さんも化粧すると、美人だなとかおもいました、笑い。 【yasuto】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2011-07-21 11:08:32) |
13.《ネタバレ》 惨殺された娘家族の復讐に静かに燃えるフランス人。彼の冷ややかな小さな瞳は、まるで復讐という本能のみで息づいている昆虫のようで、釘付けになる。 偶然出会った3人の殺し屋と互いに引かれ合い、理屈ではない絆を深めていく。 香港ノワールの渋い世界観がクライマックスに至るまで貫き通され、「傑作」の予感はあった。 しかし、残念ながらこの映画は傑作とは言い難い。 3人の殺し屋たちが、死を覚悟して約束を守り通そうとする銃撃シーンまではとても良かった。 特に、リーダー格を演じるアンソニー・ウォンの死に際の笑みはとても格好良く、香港を代表するベテラン俳優らしい存在感に溢れていた。 ただその壮絶な銃撃シーン以降、一気に失速してしまう。 一人残された男は、絆を深めた3人の殺し屋たちの弔いも含めて、復讐という目的を果たすために立ち上がる。 もうそうなれば、残された顛末は一つしかないわけだから、目的を果たしシンプルにエンディングに繋げるべきだったと思う。 敵のボスを追いつめて、いやに長々しい銃撃シーンをさらに繰り広げる。しかも、記憶を留めることが出来ないという主人公の設定がしつこく付きまとい、まどろっこしくスピード感が無かった。 そもそも、その主人公の設定はそれほど必要だったとは思えない。彼のその設定がなければ、物語はもっとテンポよく進んだと思うし、それが無くとも殺し屋たちとの絆は深められたと思う。 ラストは結局一人で大立ち回りをして目的を果たしてしまうわけだから、ちゃんと順序立てて準備すれば殺し屋たちが死ぬこともなかったんじゃないかと、つまらない文句をつけさせてしまう映画だった。 終盤までは期待を持たせる映画世界を繰り広げていただけに、残念な仕上がりだった。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 4点(2011-07-10 23:48:25) |
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12.例え記憶を無くしても約束をきっちりと果たす。まさに男の生き様でしょう。 月夜の銃撃戦は芸術的ですね。それと、原題よりも邦題の方が素敵だね。 ストーリー的には、『エグザイル-絆-』の方が面白かったなぁ。単なる復讐だけではなく、もう一枚カードがあればもっと面白くなったと思う。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-07-05 01:33:53) |
11.《ネタバレ》 東洋人と西洋人が映画の中で絡むと不協和音が生まれがちなので心配していたが、ラテン系だとそうでもない。というか、本作では異邦人ということが、記憶が薄れていくことと重なってイキている。すべての人間社会にとっても異邦人になっていきつつあるということ。ラストシーンがテーブルでニコニコしている主人公なのにはちょっと肩透かし感があったが、あれはつまり孫の記憶が完全に消え去って、その代わりに孫のような子どもたちと団欒をしている映像が入り込んできた、って感じなのだろう。ジョニー・トーらしい丁寧さが出たのは、銃撃戦よりもスパゲッティ食べながらの銃を巡るやりとりのとこ。しだいに男がただものではないと分かってくるあたり。サッと投げられる皿の気合い。その皿の行方にただのシェフでない証明があり、その皿は後のシーンのリング状のフリスビーにつながっていく。そしてゴミ捨て場での銃の試し撃ち、自転車がカラカラと動いていくとこ。記憶が消えていく男との約束をボスとの契約より優先するって「男の美学」は分かるんだけど、ちょっと命を粗末にしすぎてないか。ゴミの野での銃撃戦にもう一工夫ほしかった。ボスの卑劣さを観客に得心させる描写にも。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-06-20 10:25:50) (良:1票) |
10.《ネタバレ》 どこかで観たと思ったら「エグザイル/絆」と監督もキャストも同じだったのね・・・。記憶喪失以外はストーリーも雰囲気もおんなじような感じでした。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-06-19 21:53:16) |
9.《ネタバレ》 硬派な世界一辺倒で軟派の入り込む余地が全くない。記憶を失っても記録を頼りに報復する男と、その男から敵の抹殺を依頼された男達の約束と絆の物語。撃ち合いのシーンも爆発物やワナを使ったりもないし、人質をとったり騙まし討ちさせるなどの小細工も一切ない。男達が正面から撃ち合う、ただそれのみ。月光と雲隠れを利用した明暗の演出、ひたすら脇役に徹するBGMも渋い。 撃ち合いのシーンでは満身創痍になりつつも微動だにしない描写や、コステロが終盤に目的を思い出すシーンは多少やりすぎ感があるも、細かいことを気にしたらいけない。目的も人物相関図も序盤に明確になり、どんでん返しなどはないため、ストーリーの意外性より4人の男達の生き様を味わう映画と言って良い。 個人的には終盤に仲間3人がやられてニュースになったシーンで記憶を失ったコステロが「彼らは私の知り合いなんだね?」と、子供に聞いたとき「they were your friemds, your best friends」と答えた台詞にグッときた。 【シバラク・オバマ】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-05-02 17:56:58) (良:1票) |
8.男の美学。たまらんです。渋い「男」の映画は、自分の映画鑑賞歴から行くと、サムペキンパー、ウォルターヒルから始まってます。ペキンパーは暴力、ウォルターヒルは喧嘩。テーマは違いますが、みんな好きな映画監督です。キネ旬のベストテンに入っていた「エグザイル」からこの監督作品を観はじめましたが、はまってみようかなと思ってます。何か気を抜きたい時に観る娯楽映画としては、この監督作品なら安心して観ることができそうです。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-04-08 05:27:14) |
7.《ネタバレ》 息を呑むほどの緊張が張り詰めた芸術的銃撃シーンは言わずもがな、ジョニートー・メソッドとも言える場面が目白押し。終盤がやや物足りないのが惜しい。 |
6.どうにも良いね、ジョニー・トー。昔の大藪春彦や西村寿行のようなタイトルに照れるが、エグザイルと同様、男にとって大事なものは友との絆、このポリシーで突っ走る。金や仕事も大事だが一番ではない。ボスだろうと人数が多かろうと関係ない。 このあまりにもクサく単純なストーリーを恥ずかしげもなく描く事に、観ているこっちがだんだん感化されていく不思議な感覚。 復讐ものなら「キル・ビル1.2」などもあるが、映画として出来が良すぎる。ラストはジョニー・トーぐらい潔いほうがいいね、タランティーノも大好きだがキル・ビルのラストはデス・プルーフぐらいのほうがキマッタのにね、と、話がそれたが、年に1、2本はこんな感じの映画に出会いたいものです。 【カーヴ】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-02-01 10:06:09) |
5.《ネタバレ》 いやー、やっぱり渋い世界ですね。ジョニー・トーの世界です。いつもの俳優陣+α、いつもの音楽といつもの照明。今回は枯れ葉とゴミが舞いそして満月が悟りを一瞬の啓かせてくれます。(ラスト無事帰れる謎はここにあり?(笑))次回作また早く観たいです。 あ、邦題、かっこいいけど長くないですか? 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-12-14 00:09:51) |
4.《ネタバレ》 大好きなジョニー・トー監督に、アンソニー・ウォン、サイモン・ヤム、ラム・シューといったいつものメンバーを揃え、「殺し屋の復讐譚」と言えば期待しないわけにはいかない。しかし、当初アラン・ドロンを予定していたという主人公のキャラクターをいろいろイジリ過ぎて焦点がぼやけてしまった感あり。記憶喪失という設定にしてしまったことで、単純に復讐のカタルシスを感じることもできず…。相変わらず小道具に凝った遊び心と美しい銃撃戦はトー映画ならでは。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-12-03 07:08:47) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 今回復讐という物語の型に入れてしまったことが、成功であるように思わせておいてなぜか失敗に終わった。 【以下バレ】 いやね、よいと思ったのだ。標的の3人の男たちに迫っていく途中で彼らの家族の存在に気づき歩みを止めずすれ違うことがなぜカッコいいのかとか、そのまま近くのテーブルに居座り家族が去るのを待ち続ける時間をこちこちイナタく描くことがなぜ変に面白いのかとか、銃撃戦のさなかに仲間に手振りでタバコを要求する姿がなぜあれほどシビれるのかとか、密売屋が冷蔵庫から銃を出してくることや、オヤジを匿った妊婦が7人の子持ちでありしかもあきらかにハーフのような顔立ちの子どもが混ざっている理由がいっさい説明されないのはいったいどういうわけなのかとか、そんなことをカタるのにごく単純な復讐譚をもってきたのはなかなかいいところに気づいたなというか、少なくとも前半はよかったのよ。簡単な物語で安心して変な表現を見る快楽というか。つか、いっそなくてもいいくらいなのよ物語なんぞ。 なんだって途中で3人組を殺し、外人のオヤジの方を生かしちまったんだろうねー。どう考えても逆だろ普通。外人の遺志を継いで親分を倒しに行くというのが盛り上がるんだろ? あああよくわかんねーこの監督。記憶喪失なんて余計な要素を入れちまったもんだから話自体ぐちゃぐちゃになって、バッチの意味なんかよくわかんねーし考えたくもねー。アラン・ドロンを予定してたというぐらいだからひょっとしてマジで外人ウケに走ったのかもわからんが、自分が何を期待されているかを勘違いしちゃいけませんぜ、ダンナ。 【アンギラス】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-07-10 23:05:43) (良:1票) |