1.《ネタバレ》 自分が未熟なのかわかりませんが、どうもリノ・ヴァンチュラが主役というのが最後までしっくりこなかったような感じでした。
ストーリー上のキャラクターには凄くマッチしていて、演技とか立ち振る舞いとかは全然問題ない。ただ、映画を彩るには至っておらず、華に欠ける感じがあったように思えます。かと言って、ギャバンなら成功したかと言えば、それでも上手くいくとは思えず、要は、配役の問題ではなくストーリーそのものに面白さが感じられなかった。
簡単に言えば、緩急の“緩”の部分が約9割存在し、ここがダメ。1割の“急”の部分である銃撃戦の緊迫感だけが良かったということ。
大統領邸に入り込んで暗殺するシーンや、その後の車ごと襲撃されるシーンとか、鉄橋での銃撃戦も最後に電車に乗り込んで行く瞬間まで目が離せなくて、ここは結構良かったと思いますが、やはり残りの9割の部分が拙かったかなと。
ここは、人物描写やストーリーの中の社会情勢を描かなければならない所なのに、特に大統領を暗殺しなければいけないような、民衆が不満を持っていると劇中で言われているような悪政ぶりや近隣の住民の労苦がほとんど伝わって来ず、そこがイマイチ映画に入り込めない原因のような気がしました。
ついでといってはなんですが、BGMも決定的に古臭い。この映画、たぶん小説で読んだ方が面白いような気がしました。