5.《ネタバレ》 父親ならば、無償の愛を子供に注ぐ。
障害を持つ子だったならば、面倒がかかる分、余計にかわいいことだろう。
この作品を通じて、本当にそう思う。
ただしかし、これは間違いなく凡作だ。
強烈には心を揺さぶられない。
何かが足りない。
何だか、事実を単調に見せられている感触。
音楽に久石譲、撮影にクリストファー・ドイル、編集にウイリアム・チャンという盤石な布陣でスタッフを固めている点を考慮に入れると、ある意味、凡作以下かもしれない。
何より、グイ・ルンメイを端役に使っているのが許せない。
自閉症の青年だって、健常な男と同じ様に、年頃の女のコに恋心を持つ。
そういう描き方をしていたように思うが、せっかくグイ・ルンメイを起用しているなら、その部分をもっと掘り下げるべきだった。
グイ・ルンメイは、それに応えるだけの魅力を持った女優さんだからだ。
キャスト、スタッフの豪華な布陣を、持て余している。
話としては無難な内容だが、もっと心を強く打つ感動の名作にできなかっただろうか。
そこに不満が残る。