1.現在も続くチベタン・フリーダム・コンサートの第1回目を収録した映画。ベックやレッチリ、ビョークなどオルタナ系のビッグネームがずらりと並ぶ。正直、当時オルタナ系はほとんど聴いておらず、当時発売されたCDで紅白よろしく「流行りものチェック」みたいな聴き方してました。しかし音だけではピンと来なかったバンドも、映像付で見ると皆々個性的でとても面白い。ライブ映像は全体の4割程度で演奏はさわり程度(1曲まるまる収録はビョークくらい)、あとは運営のドキュメントや観客の反応映像が3割、チベットの歴史映像が3割くらい。当事者そっちのけで盛り上がっていたかつての「ウィーアーザワールド」とは異なり、事実を真摯に知ろうとする姿勢は良です。観客は「身内でない、アメリカ人ですらもない連中の事なんて知るか。」と怒る人もいれば「我々はよく似た事実を知っている」とアメリカでの黒人差別と同一視する人まで様々。(しかし前者の意見は裏を返せば、沖縄を「次のチベット」にしようと虎視眈々と狙われている日本人の無関心さがいかに異常か…と言ってるにも等しいです。)歴史映像編は、爆破されるチベット寺院や動く毛沢東、どうやって持ち出したのか実際の拷問の映像など、色々と衝撃的。 個人的にはチベット伝統音楽奏者が何組か参加した第2回以降の映像も見たかった感じです。