1.矢崎仁司監督が放った大長編。
その尺、実に236分。
しかも休憩がなかった。
途中でトイレに向かう人たちが多い中、私はなんとか我慢した。
題名にあまりリンクしない内容で、つかみづらかったというのが第一印象。
しかも、ほとんどが字幕なので、読むだけでも相当疲れた。
本作を観た印象として、まっさきに思い浮かんだ作品が、ジャン・ユスターシュの大長編『ママと娼婦』。
エピソードを積み重ねていき、長い尺でもって、登場人物たちのキャラクターや関連性が浮き彫りになるという仕掛け。
しかし、その『ママと娼婦』と比べると、本作は予想以上につまらない。
結局、断片的な映像の数々が、まとまっていない。
映画を観終えた後、喫煙所で監督本人に遭遇したので書きづらいが、この時分の矢崎監督って、まだ何か挑戦中で、自分の作品の型が定まっていなかったんじゃないかと思う。
何故なら、最近の矢崎作品は、面白いものが多く、矢崎カラーみたいものが一つまとまった形で感じられるからだ。
発展途上にあった矢崎監督の、貴重な大長編。
期待には遠く及ばなかったのが残念だ。