2.すげえ面白かった。
本作はうだつのあがらないダメ中年男性の成長物語にして人間賛歌の物語、そして笑って泣けるハートフルコメディです。
主人公は金のために幾度もの精子提供を過去に行っており、その結果生まれていた子どもたちに会いに行き、彼らの生活と人生を知ることになります。
そのエピソード全てが面白く仕上がっており、同時にダメ主人公のあたたかい人間性を知れるという内容になっています。
しかし主人公は訴訟を起こされているので、簡単に彼らに正体を打ち明けるわけにはいけません。
しかも借金もちなので、「金」の問題も大きく苦悩としてのしかかってきます。
その苦悩を打ち破る主人公の決断、そして「家族」の行動は、きっと感動を呼ぶはずです。
よくこんな突飛な発想のストーリーができたなあ・・・と感心しきりだったのですが、精子提供を扱った映画には「キッズ・オールライト」「カレには言えない私のケイカク」といったものがありますし、けっこう普遍的な題材なのかもしれません。惜しくらむは上映館が限られていること。
しかし徐々に上映する地域は増えていっていますし、ここまで完成度が高いのであれば、「最強のふたり」のようなロングランも期待できると思います。
G(全年齢)指定ですが、性的な話題も出てくるのでそこだけは要注意(どぎついものではないです)。
カップルでも親子でもひとりでも、間違いのない1本です!