1.4本撮られた、新東宝の女任侠ものシリーズの最終作。製作された1961年には新東宝という会社自体が倒産してしまったので、最末期のプログラム・ピクチャーと言えます。製作が大蔵貢ではなく、三原葉子が出演しているのに全然露出シーンがないのはそのせいでしょう。このシリーズは前期2本が久保菜穂子、後期は三原葉子が女親分を演じているのですが、本作は任侠ものというより日活風無国籍アクションのパクリと言った方が適切な感じです。 鬼怒川温泉が舞台で、元湯の権利を横取りしようとする暴力団を東京から来た女親分が成敗するというローカルなお話しです。脇に配したキャラが新東宝らしくてけっこう面白く、謎の男である天地茂が何というか軽妙な味が出ていて意外と良かったです。池内淳子の芸者も演技はひどいけど可愛らしかったし、三原葉子の子分である星輝美と鳴門洋二のゴールデンコンビを再び観られて星輝美のファンとしては満足です。もっともストーリー自体は他愛もなさ過ぎて語るべきことはないですけどね。ヤクザのくせして子供の喧嘩みたいにやたらと殴り合いするけど、そのアクション演出が学芸会なみではねえ…