6.《ネタバレ》 「時間がないと価値観が変わる」とは某映画の台詞ですが、この映画にもそれが感じられました。英国からマリーゴールドホテルに来た人々は、みんなそれぞれこれまで自分が捧げてきた人生に「裏切られた」「偽り」と感じているように思いました。
自分も親を失ったり、長患いの友人が逝ったり、身体の無理が利かなくなってきたり、といろいろと「人生の終わり」が見えてくる歳になったので、身につまされる映画でした。
旦那がこっそり作っていた借金で何もかも失ってしまった妻と旦那に失望している妻の対比。娘が成功して失ったお金が戻ってくると分かったら、あっさり夫を置いていく姿には笑った。結局あんたが執着してたのは「伴侶」じゃなくて「金」かい~(笑)
ホテルオーナーの若いカップルが初々しくて微笑ましい。女優さん超綺麗でびっくり!あんないい女逃がしたら一生後悔するぞ~
映像は色彩に満ちているが決してケバケバしくはない。どこか上品でそこがファンタジックでもあります。
現実的には英国から発展途上国のインドで晩年を迎える彼らの姿を「惨め」とか「負け組」なんて言う声も大きそう。が、幸せとか充実感なんて本人しか分からないものだし、本人が感じて決めるものでしょ。
インドに死にに来た判事は誰からも尊敬される地位も人柄ももっていたけど「牢にいたのは私だった」と言っていた。最後に解き放たれたのは救いでした。
「本当に強いものは変化できるものだ」とはダーウィンの言葉だったかな。
人生にもそれが当てはまるかもね~
自分の人生は他人の価値観ではなく自分の価値観で生きないとね。それには勇気がいるけれど、その勇気を少し分けてくれる映画でした。