1.《ネタバレ》 本作の主人公は障碍者専門のデリバリーヘルス嬢。ただし、彼女は全くもって風俗嬢に向いていませんでした。良く言えば優し過ぎる。悪く言えば公私の区別が付いていない。イチイチお客に情をかけていたら、体が幾つ有っても足りないでしょう。彼女がストーカー被害に合ったのもそんな彼女の性格に起因しているものと推測出来ます。“暗闇から手をのばしたら、デリヘル嬢が握り返してくれました。”基本的にそんな夢物語はありません。宝くじが当たる確率と同じくらいかと。そう、本作はお伽噺なのだと思います。ドキュメンタリー製作用で取材した素材が元ネタのようですが、リアリティとは無縁の作品でした。ただし、本作のメッセージを届けるには、むしろ好都合だった気がします。暗闇の中にいる者に、闇の恐ろしさを説くなど愚の骨頂。そんな事言われなくても解っているのですから。偽物だろうと、到底手の届かぬものだろうと、光は必要。手を伸ばせば、もしかしたら掴めるかもしれない。そんな儚い希望で、人は生きていくのだと思います。光を掴めた人は超ラッキー。仮に掴めなくても、光を求め続けて時間切れなら、それもまた良し。