8.《ネタバレ》 「いかにも」キネマ旬報ベスト・テン1位って感じの作品でつまらなさですね。
無駄な場面に無駄なセリフにて構成される映画の為に一つ一つのシーンが長い。
それに加えて狙いすぎのカメラワーク。ババァの放尿シーンや脇毛を誰が見たいのかと。
通り魔に奥さんを殺された旦那は気の毒に思うが、そこで描いたのはドラマではなく
ただのリアルである。ドラマのように世間や犯人などに勇敢に戦う訳でもなく
平凡な人材が大きな流れに取り込まれるいくだけだ。奇跡を起こしたり
世間と戦ったりできる強い人間は、ほんの一握りの人達で現実は世間の大きな流れには抗えない。
それが世の中で起こって居る現実だ、ほらリアルだろうと言われたらその通りだが
私にはこの映画でそれを表現した事に今ひとつ意義を感じられなかった。
他の話も広い世界にはそういう人も居たり出来事もあったりするだろうね。とは思うが、
それ以上でもそれ以下の感想もなく残念ながら心を揺さぶるだけのメッセージは受け取れなかった。
過去の実体験や現在置かれている状況から描かれた主人公たちに、真相心理のどこかで
共鳴する物があるなら共感的理解を自然と引き起こすような効果があるでしょうが
映画の芸術性よりも技術力が高い物の方が好きな自分にとっては、
物語の善し悪しを脚本のこだわりだったり、練りだったり凝り具合で判断してしまいます。
そうやって作り手側が深く描いた映画は好きだけど、
逆に表層をなぞる事で、見る側に深く感じさせる事が目的の映画は
受け取り側の共感に触れず深掘れなかったったらそれで終わり。
そう思って居る自分には合わない映画でした。