1.《ネタバレ》 爽やか。青春の1ページ。
これといったストーリーは無いんですけどね。一つ一つのエピソードが丁寧で、こちらの心をいつの間にか掴んできます。
ランディとスキート兄弟の前に現れる伝説のサーファー、ジム・ウェズリー。彼に教えてもらってスキートは少しずつサーフィンが上達していきます。ですが、この作品は、スポーツ主体のサクセスストーリーではありません。サーフィンはあくまでみんなを結びつけるための舞台装置にすぎません。これは紛れも無い上質のヒューマンドラマです。
スキートは、サーフィンを教えてもらいながら、ジムに死んだ父親を重ねてしまいます。
ジムはジムで、スキート一家に、亡くした妻と娘の面影を重ねてしまうのです。
それに耐えられなくなったジムは、スキートたちの前から姿を消してしまいます。スキートの兄ランディは、裏切られたと勘違いしてしまいます。そう、ジムに父親の姿を重ねていたのは弟のスキートだけではないのです。兄ランディもまた、ジムに父親の姿を見ていたのでしょう。ジムとランディの再会のシーン、抑えていたランディの本当の気持ちがあふれ出て、本当に感動します。
ただし、この一連のシークエンス、もしかするとやや説明不足かもしれません。大事なシーンだからこそ、言葉での説明を極力控えているためか、行間を読む必要があります。凄く泣けるストーリーなんですけど、人によっては伝わらないかもしれません。それが惜しいなー。
それにしても、ランディ、本当に良いお兄ちゃんだ。こんな兄をもった弟は幸せです。