3.《ネタバレ》 ドリームワークスアニメーション作品としては久々に日本で劇場公開された作品。もっともDVD発売と同時に限定的に上映された状態だったのですが(シネコンで見る前にシネコンのあるモールのCDショップで先にブルーレイ買うって有様)。それでも有難かった、その後の作品はまたビデオスルーパターンに陥ってますからねぇ。20世紀フォックスジャパンのやる気の無さときたら。
でも、アメリカ本国でコケて『マダガスカル4』の製作中止にも繋がったこの映画、ドリームワークスアニメーションの問題点が垣間見えてしまう作品だったりしました。
映画は『マダガスカル3』のエンディングから繋がっていますが、テレビシリーズ『ペンギンズ FROM マダガスカル』とは一切話が繋がっていません。基本設定からして異なるパラレルワールドとなっていて、タイトルこそテレビシリーズの映画化のように思えながら、実は無関係な状態。そこにどんな事情があったのかは不明ですが、受け手側が事情を汲まなければならない理由は無いわけで。
その上、テレビシリーズとはキャラの性格が微妙に異なっていて違和感がつきまといますし(声も英語版は隊長以外、吹替版は隊長と新人以外違います)、グラフィックこそテレビシリーズよりもツヤツヤとキレイになっていますが、肝心のエピソードや敵キャラなどは映画版の方が冴えない感じがします。
そして、最近のドリームワークスアニメーション作品に対して総じて言えるのが、バジェットに対する中身のギャップが激しいという事。どれも1億ドルを軽く越える製作費に対して、内容は軒並み小品やB級的で、大作然として出てくるとそのギャップに唖然とする状態で。そりゃ劇場公開を憚れてしまうのも判らなくもないです(それでも日本以外の国ではそれなりの数字を上げている訳ですが)。
そのスタートがアンチディズニーであった側面があるとは言え、今もってその影が見え隠れしているがドリームワークスアニメーションの大きな欠点。王道を外してシニカルに走ったり、一般ウケしなさそうな、特異なキャラばかりで構成したり。
真正面から勝負できる実力は十分にあるのに自らみすみす逃しているような気がして仕方ありません。