1.《ネタバレ》 『愛のさざなみ』、そういや昔そんな映画があったな、という記憶も有ります。でもネットで検索すると、出てくるのは島倉千代子の同名の歌ばかり。まさに忘れられた映画という感じですかね。で、実際に観てみますと、大したお話しではないうえに陳腐で観念的としか表現できない映画でした。 『明日に向かって撃て!』の翌年に撮られた作品ですから、キャサリン・ロスの魅力は満喫できます。相手役のジェイソン・ロバーズには、この人がキャサリン・ロスとラブ・ストーリーなんてあり得る?、という懸念は当然有りました。ロバーズはちょっと有名なホラー映画専門の俳優というキャラでしたが、けっこう味がある演技かなという感じです。でもなんでこの男がホラー俳優じゃなきゃいけないのかという必然性はまるでないのですけどね(笑)。でも、とにかく脚本が酷い。前半のロスとロバーズの質問に質問で返す会話の連続の陳腐さには閉口させられましたし、突然のFBIの登場や森の中での若者たちのレイプまがいの騒ぎなど、何が言いたかったのかさっぱり判りません。またキャサリン・ロスがなんで弁護士の旦那と離婚したがっているのかも、浮世離れした観念的なセリフでは観る方に全然伝わってきませんよ。劇中いかにも70年代と言う感じの歌を流して『ジョアンナ』風の映画に仕上げたかったみたいですけど、肝心の曲が陳腐なのでこれまた失敗。 恋愛ものアメリカン・ニューシネマは駄作だらけという法則がどうもあるみたいです。