1.《ネタバレ》 ストリートビュー愛好者なので見た。仕事にも使えて便利だが、趣味的には映画のロケ地探しにも使ったりする。ちなみにこの映画で怪異の発端になった家は東京都練馬区の西武池袋線大泉学園駅近く、怪異が波及した先の喫茶店は石神井公園駅近くにあり、両方ともストリートビューで特に障りなく見られる。
基本的な発想としては題名のとおり「ストリートビュー」が「霊界の扉」ということで、ありきたりな心霊ホラーではなく、また安易なヒトコワ系でもない独自路線という点は評価できる。ただ自分が知る限りでも似たような前例はあり、この映画が完全オリジナルの発想かどうかは何ともいえない。また実は心霊現象を前提にしなくても成り立つ話であって、題名の方で余計なことを書いてしまっている。
ストーリー上の問題点と思うのは、主人公の心境変化がどうも不明瞭なことである。自分の立場としては、はじめ主人公は失踪者を連れ戻したいとだけ考えていたが、実は自分も失踪したかったのだと気づかされ、そのまま向こうの世界へ行ってしまって後悔した、という流れであれば理解できるが、必ずしも素直にそう取れるようにはできていない。加えて各種の怖がらせエピソードも本筋とほとんど無関係のように見える。
しかしそれよりこの映画の最大の問題は、登場人物が同じ服を数日続けて昼夜なく着ているように見えることである。制作事情は知らないが、可能であれば役者の普段着でも着てきてもらった方がまだましではなかったか。これは女優が少し気の毒になった。
そのほか主人公のシャワー場面は特にストーリー上の意味がなかったように見えるが、これは別に有害なものではない(それほど有益でもない)。またラスト近くでTVに不気味な生物が映っていたのは異世界感を出していてよかった。ここは好きだ。
以上だが、点数はグーグル社に+1としておく。