1.《ネタバレ》 SFホラーとでもいうべきものだろうが、ジャンルとしてはそうだろうというだけで、これがSFといえるわけではない(科学的な説明はない)。またホラーというのが怖いものでなければならないとすればホラーでもない。
基本設定としては「光る眼」のような感じで、違うのは明らかに地球人の仕業だということと、「子供」が吸血鬼の性質を持っていることだが、しかし何で吸血鬼でなければならないと制作側が思ったかは不明である(本当は「スペースバンパイア」(1985)のようなのがやりたかったのか)。またそこに、当時まだ本気にされていたのか「百匹目の猿」も絡めているが、これがストーリーの本質に関わるものとも思われず、単にたまたま知っていたことを盛り込んだだけのようでもある。
物語的にも特に心を動かされるものはなく、これからもまた同じことが繰り返されるというオチだったのかも知れないが、それで戦慄とか悲哀とか何かを感じるわけでもない。最後になぜか尻を出して素っ裸で走って行ったのがいたが、こういうのを見せられてこれはどういう意味かと真面目に考える人間など日本国民の何%いると思うのか。どうも小理屈と技術だけで作って志も心もない製作物という印象だった。
なお唯一よかった点としては、川上麻衣子という人の頬がふっくらして、この時点でもかわいく見えることだった(顔つき自体は今も同じだろうが)。