1.《ネタバレ》 カンボジア難民が主人公の作品ではあるが、その彼がアメリカンドリームを成し遂げた後、ギャンブルで身を滅ぼすという、100人いたら99人が思いつくような「成功と挫折」を描いたドキュメンタリーなので、申し訳ないけれど映画としての面白みは(家族や仲間との絆に関しては心温まるものがあるが…)、ほとんど感じられない。 加えて、アメリカの人たちが、あのドギツいパステルカラーに彩られたドーナツを実に美味そうに召し上がる姿も、日本人の感覚ではどうしても理解できず、その点においても感情移入が非常に難しい…。 主人公がカンボジアの内乱を生き残り、アメリカで無一文から成功を収めたことに対しては最大限の敬意を表する。 ただ、「それならこの映画じゃなくて『キリングフィールド』観た方が10倍心に響くだろうし、あのサイケデリックで大味そうなアメリカンドーナツより『ミス○ードーナツ』の方が100倍美味そうだなぁ」などと、身も蓋もないことを考えてしまう自分は、きっと恵まれすぎているんだろうな。