2.フィンランド北部、ラップランドの小さな村。
人々の暮らしのすぐそばにトナカイが住む森があり、
釣れたらすぐに店に出せる魚が取れる美しい川や湖がある。
生活圏のすぐ隣にある豊かで美しい森と水とを背景に登場する人物は全て善人。
そんな村にある小さな食堂を舞台に、料理が人々の心と体を癒していく。
そんな徹底的にゆるい世界観の中、大したことは何も起こらない日常を綴っていく。
監督はミカ・カウリスマキ。カウリスマキ兄弟のお兄さんの方。
特に本作は冒頭からほんわかしたハッピーエンドのラストまで、寡黙な弟アキとは異なる空気がある。
この小さな村に現れた中国人の父と幼い息子と、地元の人々の交流が軸となっていきますが、
互いの異なる文化を受け入れ、少しずつ心の距離を埋めていくゆるい描写が心地いい。
たまにこういう静かでゆるい映画が見たくなる。
特に今回は色々あって、いいタイミングでこういう映画を見ることができたことに感謝。