1.《ネタバレ》 低予算映画ということを前提としての評判は悪くないらしい。以下は個人の感想ということで。
ナマハゲを含む日本の「来訪神」は2018年にユネスコ無形文化遺産に登録され、ナマハゲの地元秋田県でも人口減少と少子化・高齢化の中で行事の存続に努めているが、その「来訪神」をこの映画のように、家畜や愛玩動物の扱いで「飼う」などという発想は非常な違和感を覚える。同じくユネスコ登録のアマメハギが「ゲゲゲの鬼太郎」に出たりしていることもあり、妖怪の扱いであればかろうじて許容できなくはないが、しかし最低限、人智を超えた存在でなければならないのであって、悪ガキや悪徳業者に翻弄されるなどという展開は著しくイメージを毀損する。秋田での協力は得られなかったと監督が言っていたようだが(宣伝協力として秋田県東京事務所の名前が一応出ていたが)、現に「来訪神」の存続に努めている立場からは協力できかねるということなら当然ありうる。
監督はもともとオオカミなど野生動物と少年の交流を描きたかったという話もあるようだが、その交流の相手をナマハゲに変えたのは、奇を衒ったようだが適切とは思えないというのが個人的見解である。
その他物語については要は夏休みの出会いと別れのドラマだが、笑うところや泣くところは特にない。ただ人が落ちる場面に力が入っていたのがよかったのと、「秋田美人」の登場には感動した。秋田美人役の六串しずかという人(171cm、長身)は盛岡市の出身で、岩手を拠点にモデルなどの活動をしているとのことで本物の秋田美人ではないが、しかし秋田ではないというだけのことで特に問題はない。佐々木希にわざわざ登場してもらう必要はなかった。