1.《ネタバレ》 「特捜戦隊デカレンジャー」の放送終了後から10年後に作られた続編となるVシネマ。子供の頃に戦隊シリーズを見ていたころはこういう過去の戦隊の新作というのは作られていなかったので少々時代の変化を感じるのだが、テレビシリーズや劇場版を見た後に見ると10年経っても作品の雰囲気は変わっておらず、まるで先週も普通に放送されていたかのような感じに見えるのが見ていて安心感がある。とはいえ、10年間のメンバーの変化がちゃんと描かれているのが現実味があって良いし、瀕死の重傷を負い、事件の容疑者にされたボスの無実を晴らすために事件の目撃者である証人を宇宙検察庁のある惑星まで護送するというプロットや、犯人が汚職警官であるなど、テレビシリーズよりも刑事ドラマを意識した作風になっていてストーリー自体もけっこう面白かった。(テレビシリーズで護送の話はそういえばなかったなという程度だが、警官が犯人であるというオチは刑事が題材の子供向け番組としては難しかったかもしれない。)アリエナイザーへのジャッジメントはいつも一瞬で下るのだが、それを担当する宇宙検察庁のある惑星は地球での10秒が8か月ということが示され、この8か月間で審理が行われているというのはジャッジメントに対して少し疑問に思っていた分、一応説得力はあるのだがなかなかぶっ飛んだ設定。10年を経たメンバーのその後が見られる(育休中のジャスミンの結婚相手が初めてジャスミンが主役をつとめた回のゲストであった少年であるというのが細かい。)のはやはりここまでをずっと見ていると嬉しいしファン向けの要素も多い作品だと思うのだが、この戦隊自体を初めて見る人にも優しいつくりになっていたと思う。新しく身につけたテレポート能力についてジャスミン自ら説明したことについてナレーションがぼやき、それにメンバーが反応してしまうシーンがクスっと笑えた。