1.《ネタバレ》 1972年に、南北首脳会談に備えて、韓国大統領の事前リハのため、ある役者が金日成を演じる特訓をさせられる。しかし、彼は自分自身を金日成だと思い込むようになり・・・という、何とも興味引かれる出だし。その特訓の過程を描く前半は、焦点を絞った演出がびしびし決まっていて、この突飛な設定にも納得させられる。一転して後半は、成長した息子視点になり、若干コメディチックな方向にも振れているが、それはそれで良い。「なぜか息子をサブキャラの美女が慕って追いかけている」とか、「なぜか最後にあのラスボスが登場する」とか、韓国映画らしい無理矢理さもあったりするのだが(大体、あのアルツ状態の主人公を、そういう重要な国家機密プロジェクトに使うか?とかいうツッコミはなしで)、その辺も何となく映画全体の中で収まっているのが、作品としての芯の強さを物語っている。