1.《ネタバレ》 悪徳警官が町を牛耳り、逆らうものは全て破滅させる。そこに超絶ヒーローが現れて人々を救い悪を滅ぼす。そんなストーリーは定番のひとつのように思えます。本作の基本的プロットもそれです。けれども本作が一味違う理由は、主人公が只管沈着冷静に振る舞い行動することによるのかも。
主人公のテリーはとんでもない潜在能力(軍歴に裏打ちされた)を有するもののなかなか真価を見せてくれない。愛すべきいとこの保釈こそが目的ゆえに徹底的に我慢する。言動を慎み行動を慎む。心に秘めた怒りや憎しみは封印する。その一方、悪役側の警察は容赦なく無法ぶりを発揮。観ている側はイラつきます。
そして、スイッチオンでテリーは本領発揮。ただし、沈着冷静で法令順守。命令されているだけの警察官たちには最小限の攻撃のみ。観ている方はちょびっと不完全燃焼だけれどある意味安心して観ていられる感じ。そして、頼みの綱のサマーを難局から救い出すことも忘れない。観客は当然テリーを応援します。
「ランボー」の優等生版といった感じですね。容赦なく能力発揮する暴走型と只管冷静で人情優先型。こちらはこちらで異種の爽快感を味わえました。複雑に思える物語も丁寧に進んで行くので理解しやすかったです。多少のお約束感は否めないまでも大いに楽しめたので7点献上します。