22.《ネタバレ》 「アウトランド」の舞台は、未来の宇宙、木星の第3惑星イオですが、物語の設定はかの有名なフレッド・ジンネマン監督、ゲイリー・クーパー主演の西部劇の名作「真昼の決闘」と同じです。
また、イオの基地内のセットや小道具などの美術は、これもかの有名なリドリー・スコット監督のSF映画の傑作「エイリアン」にそっくりで、「真昼の決闘+エイリアン÷2」というようなイメージに仕上がっています。
西部劇もSF映画も大好きな私としては、ストーリーや美術云々で文句を言う前に、その映像の魔力にすっかり魅了されてしまいました。
主演も大好きなショーン・コネリーですし、これまた監督も大好きなピーター・ハイアムズですし。
イオのチタニウム鉱山街に、保安官として赴任して来たビル・オニール(ショーン・コネリー)は、赴任して2週間で、妻のキャロルに「もうこんな暮らしはイヤ。息子と地球で暮らしたい」と出て行かれてしまいます。
それでもオニールは、任務を全うしなければとイオに留まることになり、炭鉱夫の事故が続くのを不審に思い、遺骸から血液を採取して、医者に分析してもらいます。
分析結果は、限りなく怪しいもので、オニールは正義のために立ち上がることを決意するのですが------。
「エイリアン」と同じような、金儲け第一主義の会社というのが出てきます。目的のためには手段を選ばないという、非常に悪質な経営者です。
鉱山街の管理人であるシェパード(ピーター・ボイル)は、会社の忠実な部下で、なんでも言いなりであるうえ、オニールが邪魔になって、ある恐るべきことを会社に依頼するのです。
まあ、設定が「真昼の決闘」だということは、ネタバレしているのも同然なんですけどね。孤立無援になるところや、時計が頻繁に出てくるところは、本当に「真昼の決闘」そのままです。
オニールを助けてくれるのは、医者のラザルス先生だけです。かなり年配の女性医師で、口も悪いしそっけない態度なのですが、最後は命懸けでオニールを助けてくれるので、もう拍手喝采するしかありません。
「エイリアン」の真似だとは言え、お金をかけてしっかり作ってあるセットは素晴らしく、ラスト近くの山場でのアクションシーンもなかなかのものです。
「真昼の決闘」と「エイリアン」の好きな人にはお奨めのSFアクション映画ですね。