97.《ネタバレ》 「イギリスの名門寄宿学校」という逃げ場のない環境に窒息しそうでした…。
彼ら彼女らには「校外」がない。気の毒にも「学校」が彼らの「世界のすべて」なので、その学校の価値観にそって、その中の限定した人間関係の中で、なんとか上手く生きていかなければならない。
しかもこの学校の共通価値観が「痩せたブロンド以外の女は価値ナシ」ときた。そりゃ、どっかおかしくもなるでしょう…。
この作品は、父親が有名人で本人もイケメンの校内スター・マイクに対し、全く地味でイケてない女子高生リズが、ストーカー的な愛を成就させるため浅知恵で色いろ企んでみたお話。
にしても、「いくらやりたい放題する自由が欲しいからって、あんな穴に入るヤツいる?」と誰しも思ったのでは。
そこはホラ、名門寄宿学校が全世界という浮世離れしたお金持ちの子弟たち。冒険心とスケベ心と頭の悪さすべてが合致して、3日ほど穴にこもって隠れん坊しちゃおう♪という事になったのでしょうね。…ムリヤリ感がありすぎですけど。
イギリス人ってそーゆうアホなこと好きそう…って思ったのですが、偏見でしょうか。スミマセン。
ストーリーは実はかなり単純で、プロットの弱さを補うため謎をたくさん残し、あえて主役の妄想ストーリーから始めて観客を裏切っていく、という演出。
そのおかげで、最後まで十分観客を引っ張っていけていると思います。が、まあ小手先ですよね。
せめて、最後にどんでん返しがほしかった。
あまりにも予想通り、セオリー通りのオチでした。鑑賞後の後味が悪いのは別にいいんですが、「こうなったらイヤだな」と思った通りの結末すぎて、ズッコケました。
すべてが主役に都合よすぎだし。警察も精神科医もチョロすぎ。いくらティーンの子が書いた原作にしても、ご都合主義すぎて白けました。リアリティ無さすぎ。
それとも、イギリスの警察は本当にこんな風にチョロイんでしょうか。フロスト警部みたいなのはいないんでしょうか。残念。
でももしかして、ティーンの子が観たら面白いのかも?
ホラーというよりはサスペンスで、思春期特有の思い込みが激しい恋愛系のお話が好きな人には面白いと思います。残念な容姿で真面目で思い込みが激しいタイプの女子の熱烈片思いほど怖いもんはナイ、というお話です。ソーラ・バーチは確かにはまり役でした。102分間、退屈はしないと思います。