1.この物語、めちゃめちゃ難解です。ストーリーが難解というわけでは無く、主人公の人物描写がです。公安部長に昇進した主人公は愛人を殺害するんですが、どうもその後の行動がおかしいんですよね。わざと自分の証拠を残したり、警察に対して挑発したり。そしてこの愛人との関係がまた複雑。過去にあった殺害シーンを再現してカメラに収めたり、主人公が性的不能の為変りにお互いののしりあってエクスタシーを感じている。もうこの構図からしてあやしい。ただ次第にこの主人公がホントは何がしたいのか明らかになっていくんですがこれまでの過程が十分に生かされてました。気になったのはこの主人公とそれを取り巻く男たちの描き方。権力に翻弄されながらも快感を感じる男たち、ベットシーンでなぜか男がパンツを脱ぐシーンがどアップ、やたらと顔が近い男たち。直接的な表現は無いんですが、ホモっぽい世界観を感じてちょとむさ苦しかったです。しかしこの作品の重厚な描き方に脱帽です。