6.《ネタバレ》 大陸から香港に出てきて、売春婦としてお金を貯める。
田舎から都会に出てきて、都会になじみつつも、やはりなじみきれず、最終的には故郷に還る。
日本でも同じようなパターンがよくあるだろう。
地方から東京の大学に入って、そのまま東京で就職。
だが、やはり都会は仮の場所であって、本来の自分の姿は発見できない。
それで、田舎へ戻る。
その様な、どこの地域にでもありそうな事の顛末を、けだるくて、きらびやかな香港を舞台に、じっくり描いてみせる。
フルーツ・チャンの魅力は、それなりに感じられたが、東京で生まれ育った私には、等身大では観ることのできない部分があって、それが障壁となってしまった感がある。
一方で、香港映画としての魅力、香港の猥雑でいて、どこか寂しい夜の風景。
そういった、香港映画特有の雰囲気と映像の数々が、印象に残った。