6.《ネタバレ》 久しぶりに胸を打たれる映画でした。
麻薬中毒者で、自分の子供をゴミ捨て場に放置してクスリを打ちに行く母親カイラ(ハル・ベリー)。一方、その子供の治療にあたり、それからその子供をわが子として育てる母親マーガレット(ジェシカ・ラング)。
これだけ見れば、当然マーガレットと、その一家を応援したくなるのですが、この作品の見所は何と言っても母親カイラの立ち直り。警察に捕まったことがきっかけで、必死に人生を頑張ってやり直そうとするカイラに自然と心が寄り添ってしまうのです。ただ、マーガレットのルウィン一家も、白人の一家でありながら黒人の捨て子に無償の愛を注ぎ、本当に幸せそうな家庭を築いていくのです。
そしてついに、カイラのカウンセラーによって、死んだと思っていたわが子が生きていたことをカイラは知ってしまいます。ここから物語は加速していきます。親権を取り戻そうとするカイラ。最愛の息子を失いたくないマーガレットとルウィン一家。両者は裁判で親権をめぐり争うことになっちゃうんです。
普通は、裁判ものっていうのは、どちらかを応援したくなるものですが、この映画に関してはどちらかに肩入れすることはないかもしれません。なぜなら、二人から、偽りのない息子への愛情を感じてしまうからです。
そして感動のラスト。最後に二人が抱き合ったシーンは久しぶりに目頭が熱くなりました。何より、黒人の子供(イザヤ)の演技が凄すぎます。とても良い映画に出会いました。