鬼が来た!のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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鬼が来た!

[オニガキタ]
DEVILS ON THE DOORSTEP
(鬼子來了)
2000年上映時間:140分
平均点:7.76 / 10(Review 105人) (点数分布表示)
公開開始日(2002-04-27)
ドラマ戦争ものモノクロ映画
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2024-11-12)【イニシャルK】さん
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監督チアン・ウェン
キャストチアン・ウェン(男優)マー・ターサン
香川照之(男優)花屋小三郎
澤田謙也(男優)酒塚猪吉
脚本チアン・ウェン
撮影クー・チャンウェイ
製作チアン・ウェン
配給徳間書店(東光徳間)
あらすじ
舞台は戦争末期・日本占領下の中国の農村。ある夜、マー(チアン・ウェン)が愛人イェンアル(チアン・ホンポー)と抱き合っていると、外から戸を叩く音がする。マー「誰だ?」男「俺だ。」マー「誰だ?」男「俺だ。」マーが戸を開けると、男は突然銃をマーの頭に突きつけ、5日間荷物を預かれと言い出した。大きな麻袋が2つ。マーが麻袋を開けると、中には日本軍人・花屋(香川照之)と通訳トン(ユエン・ティン)が入っていた。
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105.《ネタバレ》 1945年、終戦間際。夜中、中国の農村に住む主人公のもとに、何者かがやってきて、主人公を銃で脅し、麻袋2つを置いて、日本軍に見つからないように保管するよう指示して去っていきます。袋を開けてみると中身は日本軍人(香川照之)と中国人通訳。序盤は、まさに天から降ってきたような状況に、主人公および村人が右往左往する喜劇として話は進んでいきます。アイディア自体は、突拍子ないながら、面白いし、うまいこと考えたと思うのですが、それだけで結構引っ張るので、途中の中だるみがきついです。しかし、終盤は激しい展開で、大きく持ち返しました。日本軍人の蛮行も描かれていますが、蛮行にいたるまでの理屈と心理が比較的丁寧に盛り込まれていて、作者は随分と研究したんじゃないかと思わせるものでした。あまりに劇的でエンターテインメント的に出来過ぎな蛮行ですが。中国人の役者は特に爺さんたちが印象的。日本人は香川照之と澤田謙也などが好演しています。中国語タイトルは「鬼子來了」。あまり関係ないですが、日本鬼子(ひのもとおにこ)を思い出しました。
camusonさん [DVD(字幕)] 6点(2024-04-14 17:33:36)
104.《ネタバレ》 ストーリーは重厚かつしっかりしているが、そこまで楽しくはなかった。
香川照之の熱演は光る。
ラストシーンはなかなかに強烈。
にじばぶさん [インターネット(字幕)] 6点(2022-12-04 20:51:59)
103.これは非常に政治的な映画であり、共産党と国民党と支那派遣軍の3者の関係がわかってない人が見ても、この映画の意図は意味不明だろうし、「鬼」というワードに釣られて、戦争映画にありがちな人間の狂気とか残酷さといった感想しか持てないだろう。問題は、この作品がどの程度のプロパガンダ性があるのかであるが、基本的に中国映画は共産党の思想に反する映画は製作も上映もされないと思っているので、一応はクリアしているのだろう。よって、当然の事ながら根底には「抗日戦争」に勝利したというメッセージが込められているのは間違いない(本作品は国の許可を得ずにカンヌに持ち出され、中国国内では上映禁止となったようだが、その後解禁されたとの事なので、中国共産党の正当性をアピール可能という判断だろう)。
ちなみに冒頭の「私」が誰なのか?が謎になっているようだが、これはその後の展開から共産党と考えるのが妥当だろう。時代は45年なのでもはや日本の敗北は明らかであり、日本の武装解除後の武器装備をめぐる国共の争いが本格化する時期でもある。よって日本軍への協力地域を混乱に陥れる事により共産党の解放区(辺区)拡大の意図があったと考えるべきだろう。ポツダム宣言に言及している人間が皆無なのだが、戦後蔣介石の「以徳報恩」により日本軍は国民党からそれなりによい扱いを受ける。収容所を出て自由にタバコを吸ったり、過酷な捕虜生活になっていないのはそのせいである。ラストの極端な演出はその「以徳報恩」の映像化でもある。日本軍は敗戦が明らかになり、自暴自棄となり中国人民を「祭り的」に虐殺した。そして、日本軍に復讐した中国人民に対し、国民党軍は処刑を言いわたす。これは、それまでの台詞で何度かでてきた「中国人とは違って日本人は約束を守る」の裏返しでもあり、中国は法治国家であるとのメッセージとも取れるし、抵抗を示した中国人民を処刑した国民党軍を非難しているとも取れるので解釈が難しいところでもある。あえて普遍的なテーマを見出すとすれば、法(ルール)と倫理(道義)の関係性だろう。
東京50km圏道路地図さん [DVD(吹替)] 6点(2019-08-11 03:20:11)
102.《ネタバレ》 中国版『ゴドーを待ちながら』って感じですかね。謎の男からとある〝荷物〟を預かった村人たちの騒動をスラップスティックに描きながら、他民族同士が騙し合い憎しみ合い、やがて殺し合いにまで発展するさまをシニカルに捉えている。なかなか深い映画だったんじゃないでしょうか。ただちょっと長すぎるかな。もうちょっと短くても良かったと思う。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 7点(2017-05-17 20:03:28)
101.《ネタバレ》 これは反日映画ではない。誰の心にも棲んでいる"鬼"を描いた普遍的なテーマだろう。もし自分が旧日本軍の兵士だったら、軍艦マーチで否応無しに気分が高揚するし、上層部の同調圧力に耐え切れず、同じことを絶対にしている。現代に移し替えてもその本質はこの先も全然変わることがない。共存しようと尽力するが、どこか馴れ馴れしい中国の村人もそうだろう。チアン・ウェン監督は日中のメンタリズムを非常に理解している。どこかとぼけて牧歌的ながら狂気とユーモアが一体になったハイテンションな展開が戦慄のパートカラーまで続く。主人公マーは殺された同胞の復讐をしたのに、国民党主導の処刑を同じ中国人に喜ばれるなんて皮肉すぎる。ちょっと黒澤映画に似たような熱量と空気を思い出してしまったが、一番の"鬼"は一度スイッチが入ったら暴走する権力そのもの(=中国共産党)かもしれない。カンヌ初公開のみにしか見れなかった文化大革命のエピソードは今後世に出ることはあるだろうか?
Cinecdockeさん [DVD(字幕)] 10点(2016-08-19 23:43:01)
100.《ネタバレ》 白黒による撮影がクライマックスのパートカラーを際立たせる傑作。

「気をつけー!」の掛け声とともに軍艦マーチと共に日章旗を掲げた行進、そして「鬼子来了(鬼が来た)」の題名!この軍艦マーチは幾度も劇中で繰り返される。 
一体どんなクソ反日映画がはじまるのか、どうボロクソに言ってやろうかと最低な好奇心で胸を躍らせたが(スイマセン私はそういうクソ野郎なのです)、その期待を見事に裏切ってくれた。


長い坂道を下っていく日本軍、その様子を見に子供たちが集まる。子供たちと交流する軍人。彼らは毎朝のように来るらしい。

闇夜、密室、蠢く脚と喘ぎ声が情事を物語る。急な来客に妻を隠す。日本軍に怯える恐怖を表す。
戸を開けた途端に眉間に拳銃を突きつけられ、ある“依頼”と共にズタ袋を置いていかれる。障子を突き破る日本刀の切っ先で念を押して。

集まって相談する村人たち。ズタ袋から出てきた男の口から出る驚愕の一言、布で遮られる表情、罵詈雑言をわめき死を望む者、違う訳を言って生を望む者の対比。違う訳を教えるやり取りが笑える。同じ日本語でも嘘をいいまくるwww
村の住人役の監督(チアン・ウェン)もそれをニヤニヤしながら見つめる。

前半はコメディ映画のような微笑ましい雰囲気が、やがて地獄のような凍りつくやり取りに変わる。ドアの開け閉めだけでもドキドキする。このドアにおける緊張は幾度も挿入される。
他人の叫びを拒むような演奏、暴れるので拘束されて介抱される、雪が降り始める外、防寒着でぐるぐる巻きに。怖がりながらもちゃんと世話をしてくれる優しさに男は打ちのめされていく。
死を覚悟した男に生きる勇気はなかったのだ。
武装して現地住民に襲われる幻。悪夢ではなく願望として。

兵士二人の鶏肉をめぐる会話、黒い影、銃剣で地面にサークルを描き動かないように言う。日本兵がいる事を気づかれないように振る舞うスリル、鶏の首にかけられたもの、子供も油断できない。


サーチライトが照らす中を進む緊張、ズタ袋に拘束されながら穴を開け、細い筒で水を飲ませる。
しかしよく泣く男だ。死にたがりは時間の経過とともに思考も変わっていく。彼らの反応が訳は嘘じゃないという事を物語る。

本部でのやり取りもピリピリとした緊張が。うだるような暑さでも規律によって己を戒める軍隊、存在そのものが中国に凸な隊長、そしてロバあああああああ貴様ああああああっ!

メンツ、プライド、面目、話をまともに聞く気もない上層部、“契約”電話。
この隊長が本当に策士と言いますか、確かに約束は守るクソ上司です。「どうせ○○○んだし、殺るだけ殺っとくか」というキレ者。日本刀の柄を首筋にあててのしごきも凄い迫力。「生きて帰ってきてんじゃねえよボケナスッ!」という感じでボッボコにしてます。怖ー。
ニコニコ顔で毎朝巡回してた軍楽隊も豹変するんだから怖い怖い。みんなクソ上司に「殺されたくない」という恐怖で動かされるのである。

賑やかな歓迎パーティー、穏やかな交流、どんちゃん騒ぎがある一言で凍りつく。村人の態度に苦悶の表情、徐々に不穏な空気へと変わり、壮絶な血祭と化してしまう。淡々と演奏を続ける楽隊が怖い。

駆け抜ける火、火、火、戦いの終わりを告げる遅すぎた放送・・・復讐、土砂降りの雨、痘痕だらけの面、最後の一撃とともに色づくフィルム・・・。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2015-07-30 15:47:06)(良:1票)
99.《ネタバレ》 この映画のテーマは「ヤケクソ」なんじゃないかと思いました。最初の香川照之の態度、玉音放送後の日本軍による虐殺、最後の主人公の行動…。こんなのを見ても、気持ちの良いものではありません。そして、首を傾げたくなるような演出も多々あったと思います。画面をモノクロにする意味も分からなかったし、基本的にシリアスな話なのに変なタイミングで笑いの場面(罵る言葉を正月の挨拶に翻訳する場面は上手いと思いましたが)を挿入しているのもおかしい。視点も反日で一貫されていれば割り切って見られるのに、最後の主人公に対しては妙な正論が振りかざされて、変な気分になりました。何とも中途半端で残念な作品です。
川本知佳さん [DVD(字幕)] 3点(2014-10-14 01:01:23)
98.白黒でなくてもよかったのでは?
中国から描いているので当然だが日本の酷さが伝わる。
mighty guardさん [DVD(字幕)] 6点(2014-08-31 23:35:30)
97.《ネタバレ》 映画が好きになったきっかけの映画
香川照之が忘れられない
aimihcimuimさん [DVD(字幕)] 10点(2014-08-03 19:38:04)
96.《ネタバレ》 普通とは違う意味でもう見返したくない、見直せない映画。あのカタストロフィとラストカットの後で、もう一度序盤から中盤にかけての牧歌的なコメディを観るのは辛すぎます。
題名は『鬼が来た!(英題:DEVILS ON THE DOORSTEP)』。何者かに捉えられた花屋が村人に拷問の末に殺されると思って吐いた台詞ですが、鬼は玄関にやってくるのではなく、心にやってくるのでしょう。日本兵による村人への虐殺の引き金を引いた花屋、飴を村の子ども達に配るなど優しい軍人としての姿も見せていたが最終的にその子どもを刺殺する野々村、憎しみを抑えきれず俘虜となった日本兵を斧で殺して回るマー、統治のために自国民を粛清する国民党、そして最後にマーの眼差しを受けつつも絶叫と共に刀を振り下ろす花屋。誰の心にも鬼が住んでいることを忘れてはいけない。それは世界中の国籍を問わず全ての民族に対して言えることです。だから監督は態々国民党による処刑の場面も挿入したのでしょう。
意地が悪いのは、態々剣の達人のシーンを入れていることですね。何故か達人の一太刀によって死ななかった花屋を見て達人は「彼等はここで死ぬ運命ではない」という。彼等がそこで死んでいれば最後の虐殺による悲劇も起こらなかった。彼等があそこで死ななかったのはメタ的にいえば観客にあの虐殺と映画のメッセージを観客に伝える為に外ならない。
チアン・ウェン監督は本当にセンスがある方なのだと思います。中国映画の名画で良く見る山村の長閑な雰囲気、イタリアの名画のような心暖まるコメディ演出、迫力ある映像で見せ付けられる虐殺シーン。優しさと絶望が混じり合い描かれる人間の業。
民朗さん [DVD(字幕)] 8点(2014-02-03 09:35:50)
95.《ネタバレ》 二人の捕虜を巡ってどこか牧歌的な雰囲気で、コミカルなシーンも多い。ところが、終盤で思わぬ展開に。和やかな宴会が村人への大殺戮に変わっていくさまは息を飲む。堰を切った濁流のようにどうにも止まらない残虐行為の連鎖。中国映画らしい反日的な描き方は日本人としてはしんどいし引っかかるが、それをも超えた戦争の狂気、集団心理の怖さはあった。

二人の捕虜を連れてきた男の正体は最後まで明かされないなどシュールな面もあって、なにか心にとまる作品。ラストの主人公の首は、憑き物の鬼が落ちたような表情が印象的。そこだけカラーになるので、俯瞰で見ている監督の達観した顔にも見える。狂気と滑稽さが感じられてこの映画にふさわしいラスト。

日本に反感のある中国人が観れば、鬼は憎っくき日本人でしかない。ところが、フラットな気持ちで観れば鬼は誰にでも宿るように見える。視点によって見え方が変わってくるホログラムシールのような作りは、中国当局の検閲を考慮してのものなのだろうか。日本人役者のセリフが聞き取りにくいのと、モノクロでは見にくいのでカラーで見たかった。

しばらく後に再鑑賞。やっぱり面白い。
花屋が通訳から教えられた罵倒が新年の挨拶だったのは傑作で、緊張と緩和が生む笑いの最たるもの。
飛鳥さん [DVD(字幕)] 8点(2013-07-11 23:08:39)
94.《ネタバレ》 恨み憎しみを吐くつもりが、通訳から教わった言葉は全く別の言葉だった…というさわりだけ知っていて、ずっと気になっていた作品をようやく見ることができました。そのさわりの設定と、時折挟まれる笑いを誘うシーンで、ハートウォーミングな展開を信じて疑わなかったのですが、酒塚の登場でとんでもない展開に! 人間の愚かさと弱さからくる醜い部分をずっしりとボディブローされた気分です。主人公のチアン・ウェンと酒塚役の澤田拳也の存在感は、それぞれにすごく良かったです。澤田さんの登場シーンは「どっからこんな日本人俳優を見つけてきたんだ」と思うほど異様な目力を放っていました。調べてみたら、あの立派な体格から想像したとおりアクション系の俳優さんだそうで、それが少し残念です。いい監督さんに育てられたら、黒澤明作品の三船敏郎みたいな存在感を出せる人に思えます。主人公のチアンさんもすごく映画の空気感を高めていたと思います。その馴染みやすいキャラ建てがラストで香川さんを凝視する表情は脳裏から離れません。その瞳が観るラストシーンだけが鮮やかなカラーとなって人の醜さを映す。たまりませんでした。やりきれないです。やりきれないけど、嫌いになれない、良質の作品だと思います。 絵的には、恋人の顔が逆さまに映されるカットが印象的でした。主人公役のチアンさん自身が監督なんですね。
だみおさん [DVD(字幕)] 8点(2012-10-17 00:20:35)
93.《ネタバレ》 日本占領下であるから日本人、とくに軍人を憎く思う気持ちはあっただろうが、それでも自分の手で人は殺せないってところが人間らしさ。また花屋小三郎も最初は「俺を殺せ」「死にたい」と喚いていたが、いざ殺されるとなると怖くてたまらない。また怪我の手当てをしてもらった時は嬉しかったし、感謝もしている。花屋も大日本帝国軍人である前に人間だ。花屋は村人側と契約を結び、帰還した。だが、「なぜ生きて帰ってきた?」と鉄拳制裁が加えられ、嫌な予感…。しかし、契約は守ろうと酒塚さん。友好的なムード…。あれ? ハッピーエンドなのかな? と思い始めた矢先、惨劇が待っていた。花屋は村人の下で過ごした時間が長い為、飼い慣らされたと判断したのか、それとも日本降伏の知らせが関係していたのか、どうも難しい。この映画を完全には理解できなかったが、凄い映画だってことはひしひし感じた。
リーム555さん [DVD(字幕)] 8点(2011-08-31 19:00:37)
92.序盤の設定に関して、最後まで何のフォローもないのが気になるが、
ここは目を瞑って鑑賞したほうがいいのかな?
コミカルなシーンも結構あり、全体的にそれほど重たいという印象はないけど、
終盤のシリアスな展開でうまくバランスが取れていたと思う。ラストは本作の一番の見所。
思わずうーんと唸ってしまった。主役二人の役者さんもいい。
MAHITOさん [DVD(字幕)] 6点(2011-08-22 13:08:26)
91.《ネタバレ》 難しい作品。とりあえず単純な「日本人として恥ずかしい」型の感想は論外ではあるが、評価はさまざまな情報を加味しないと行けなくて難しい。

■とりあえず単純な反日映画ではないだろう。確かに全体としてのバイアス(特に「中国人の善良性」についてはなかなか怪しい)はあるが、それはそもそもあの国で戦争映画を作ろうと思ったら中国政府に肩入れするようにしか出来ない状況にある(本作でさえ「日本人に優しすぎる」と上映禁止らしいし)ことを加味すれば、まあ仕方がない側面は多分にあると思う。

■他国の人が見てどう思うかだが、戦争映画でそんなに「何人か」って見てて気にするのかはわからないところ。似たような映画だと例えば「コーカサスの虜」を見てロシアが嫌いになるかとか、そういう感じの問題じゃないのかな。

■ちなみに敵前逃亡ってどこの国の軍でも厳しく罰しているものだから、あれは日本だけではないと思う。

■個人的には、マーのラスト直前での行動があまりに突発的なので、そこをもう少し自然な感じでつなぎ合わせた方がいいと思った。あれだと本当にただ気がふれただけだし。

■あと、あまり注目されていない気がするが、トンの処刑は意外と重要だと思う。マーは曲がりなりにも殺人者なわけで殺されてしかるべきともいえるのに、その処刑には自らの手を汚したがらない。他方でトンはあの状況下ではどうしようもない展開をたどり、最後には処刑されるのだが、それは躊躇せず中国軍で処刑する。そして二人とも笑顔で死ぬ。。。

■何人かの方が触れているように、本作では「権力」「上下構造」が虐殺・殺人を招くというのがメッセージに含まれているだろう。だがその上で言うと、それだけでは実際にはなかなか殺人というものは起きず(人間は罪を犯したくないもの)、引き金になるのは「透明性(誰が殺したかわからない、死んでも自分のせいではない)」である。その意味で、虐殺の引き金となる花屋の刺殺もマーの殺人も「顔の見える状態での殺人」であり、現実の戦場とは違うなぁと思ったり思わなかったり。
θさん [DVD(字幕)] 10点(2011-02-14 00:22:04)
90.物凄く脚本が練れてると思います。ステロタイプというか、かなりプロパガンダが含まれていると思うのだけど、どうもスタッフがそのプロパガンダを利用してかなり皮肉めいたものを出しているという所も感じられますね。
奥州亭三景さん [ビデオ(字幕)] 7点(2010-12-05 10:40:49)
89.そもそもこの作品にどの程度リアリティーがあるのかが気になる。
後半の宴でとんでもないことになりますが、どんな言動が気に障って狂気の行動へ走ってしまうのか、不安が増幅して不快感しか残らなかった。
ちょっと自分には合いませんでした。
きーとんさん [DVD(字幕)] 5点(2010-07-18 00:26:38)
88.なんとなくコメディタッチで進んでいてこりゃ後味悪い結末になりそうだなと思ったら案の定。香川の演技は10年後の現在での彼の持つ存在感を発揮しての大活躍を予感させる素晴らしさ。テーマが人間の狂気か戦争の悲惨さか日本軍の残虐さとか少し読みにくいんでどうしたらよいものやら。最後の場面の処刑の時のほのぼのとした歓声がなにげに印象深い。
タッチッチさん [DVD(字幕)] 6点(2010-04-15 21:08:36)
87.《ネタバレ》 「純粋に」映画として観ると言うことが可能なのか、観終わった後一日考えたが、結局無理だと感じた。終盤のオチはやたら長い宴会シーンのあたりから見えてくるのだが、これはかなり残虐な話であり、実際にこのようなことが無かったのならば、やっぱり映画にされるのは嫌だ。たぶん他の国の人も自分の国がこのように描かれたら、同じように感じるのではないか。

確かに「天皇陛下万歳」を叫びながら、中国人をチャンコロと呼びながら国土を蹂躙した日本兵に対して、中国人が良い印象を抱くはずは無く、反日映画ができるのは当たり前だ。しかし、この映画に関して僕が問題だと思うのは、この映画について、「純粋に」映画としての面白さが存在する作品だと言う内容のレビューが非常に多いことだ。確かにそれが可能な人もいるかもしれない。しかし、この作品を観た後に、日本人に対して悪感情を持たない人(政治的に中立な、例えば外国人)はまず存在しないだろう。現代の日本人はそうは見えなくても、この映画で描かれるような特異な獣性や不気味さを心のどこかに隠した国民だと思うのは間違いないだろう。個人的には映画の出来を「純粋に」評価する以前に、この作品は政治的にヤバい作品だと思うのである。

映画の観客が皆歴史に詳しいとは限らない。例えば、レビュワーの中にも国民政府軍と八路軍の違いが分かっていない人もいる。そんな人がこの映画を観ることは危険だし、veryautumnさんが書いているように、「この映画は入門には向かない」のである。そして、誰がこの映画を観るかはコントロールできない。歴史を題材として扱う場合は、あくまでもそれがフィクションであること(当たり前のことなのだが)を強調してもし過ぎることは無い。特にこのようにリアリティ溢れる映画ならば尚更だ。
枕流さん [DVD(字幕)] 4点(2010-01-24 22:37:33)
86.《ネタバレ》 香川さんの熱演と、軽快な会話運びでなかなか楽しく見ることができました。昔話のような話で案外気持ちの良いラストを迎えられるんじゃないかとちょっと期待してしまいましたが、やはり日本軍は鬼か…。まぁ、そこまで一方的な描き方ではありませんでしたが、何を思えばいいか難しい映画です。個人的には犯人はハッキリさせてほしかったなー。
すべからさん [DVD(字幕)] 7点(2009-11-24 01:17:43)
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【点数情報】

Review人数 105人
平均点数 7.76点
000.00%
100.00%
232.86%
310.95%
454.76%
565.71%
698.57%
71110.48%
82422.86%
92725.71%
101918.10%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.50点 Review4人
2 ストーリー評価 8.00点 Review7人
3 鑑賞後の後味 6.60点 Review5人
4 音楽評価 8.75点 Review4人
5 感泣評価 9.33点 Review3人
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