3.はっきり言ってジャケットに書いてあった解説とはずいぶん違う内容だナ~、とは思いましたが(笑)ミステリー仕立てを装っているけど実際にはちょっと毛色の変わった人間ドラマですね。話がどう転がって行くのかわからない迷走感と、主要キャラが数珠繋ぎに代わって行く展開が、ちょっと面白いな、と思いました。橋の上にずうっと立っていた男、遺体となって発見された彼を巡って何人かの証言からその人生が明らかになって行く趣向ですが、平行して展開される2人の参考人の断片的な証言から、ひたすら橋の上で彼が待ち続けたものが何だったのか、明らかにされるシーンでは思わずうるっと来ました。いかにも田舎町のダメ人間といったヴィニーを演じたケヴィン・ディロンのダメっぷりが印象的です。原題の「Interstate 84」からしてこれは三文ミステリーとして紹介するよりはもうちょっと文学的な内容だと触れ込んだ方が良かった気がしますが、ケヴィン・スペイシーのブランドイメージが悪い方に影響したようですね。実は描きたかったものは全然違うものだったように思うのですが。晩秋のNY郊外、美しい田園風景を舞台に描かれる「家族って何だろう?」という映画です。お間違えのないように(^^;