1.《ネタバレ》 つまらないとか、面白くないとかいうレベルを超えて、ざっくり言って、この映画のすべてが薄く、安っぽく、安直なのである。それは予算がないといった意味での安っぽさではなく(予算が少なくても安っぽくない映画は数多く存在する)、より根本的な、創り手の意識に深く根ざした安っぽさなのである。著しく盛り上がりに欠けるストーリーも、「オレオレ詐欺」の方がマシに思えてくるほど子供騙しで幼稚な詐欺の手口も、元ボクサーの学芸会並みの演技も、勢いだけで笑いを取ろうとする若手芸人のような韓国のチンピラも、時代考証を完全に無視した百済の黄金香炉も、ちゃらちゃらして耳障りなだけの音楽も、そして貴重な時間を割いてこの映画を観てくれたすべての人を嘲笑うかのようなふざけたラストも、そう文字通り、すべてが薄っぺらで軽いのである。そういう意味では、「所詮コメディ映画なんてこんなモンだろ」あるいは「これぐらいやっときゃ客も笑うだろ」という製作陣の「負の意気込み」がひしひしと伝わってくる作品と言う事ができる。主役の畑山君については、何分元ボクサーなので最初から多くを期待してはいなかったが、それでもTBSの「ガチンコ」の時のほうがよほどいい演技をしていたと思ったのは小生だけだろうか。また点数については、以前中江有里チャンのファンだったということだけで何とかひねり出した結果であり、もうこれ以上は、ビタ一文、逆さにしても鼻血も出ないのである。