2.田舎と都会、因習と合理の衝突、その中を会社の社長や四国独立運動を目論む面々に巻き込まれ翻弄される主体性のない佐野周二がおおわらわする可笑しさを楽しむ映画です。切り株の魚を象徴に田舎の因習における局所的な価値の<絶対性>を描き、都会娘=淡島千景、田舎娘=桂木洋子に価値の<相対性>を描き、佐野が大事に抱えていた包みの中身をラストにバラすことで、な~んだと価値の<崩壊>を描き、結局何時の世も価値観にてんやわんや、良くも悪くもそんなこんなで世は回る、といったところです。喜劇としては少しもの足りなさを感じますが、ローカル色豊かな宇和島の闘牛や祭の映像は一見の「価値」ありです。出番は少ないけれど桂木洋子はむちゃ可憐・・・男子は目を奪われますぞ。