1.とりあえずいちばん最初に書いておくことは、デルフィーヌ役のエロディの”いちばん美しい年令”はこの映画の撮影時じゃないということです。「スタン・ザ・フラッシャー」であれだけ輝いていたエロディを思い起こすと、悲しい気分になってしまいます。「あの時、なぜ彼女を調教できなかったのかい?セルジュよ、君は致命的なミスをしてしまったようだ!」と心の中で考えました。(こんなこと口に出したら変態だし。)そりゃヴァネッサにも負けちゃうよ。それにこの映画は、残念ながらフレンチ・ロリータというジャンルには適さないようです。どちらかと言えばサスペンスがかった青春映画と言うべきでしょう。ここもちょっと不満な原因になっています。と、ここまでは批判ばかりでしたが、きちんと評価してやると、そう悪い映画とも思えません。デルフィーヌには不満が残りますが、相手役のアクセルがなかなかいい演技をしています。彼のキャラクターがシニカルで、若くて、カッコいいのでそれで緩衝されている感じです。(関係ないが、カウボーイビバップが実写化されるのならスパイク役に彼を推薦したい。)ストーリーとしての面白さもありましたし、そこに方向性もはっきりしていて、良く出来た青春映画だと思います。もう少し、画としての美しさにこだわりが欲しかったところですが、全体として若い映画と言えるでしょう。しかし、この映画から感じる「もう一歩」は決定的に遠いのかもしれませんね。