1.「キアヌ・リーブスの初期の頃の作品は、恥ずかしくないレベルを保っている」という評を、どこかで読んだ記憶があるけど、本作は、その若い頃の作品の集大成みたいな感じ。作品そのものは、低予算のダークな青春ムービーの乗りだけど、とにかくキアヌの繊細な演技は、未だに「ファン必見」と言われるだけのことはある。特に、ボコボコにされた後に、ヒロインと初めてキスから事に及ぶまでの直前の、戸惑いや躊躇いを現したシーンのキアヌは絶品。ラストで、虚無感を漂わせて後ろ歩きするとこなんか、溜息もの。他にも、浮気をしている母親への微妙な確執や、横暴な父親との軋轢とか、全編、繊細なキアヌを堪能できる。作品そのものの出来はともかく、確かに「ファン必見」の作品だった。