3.《ネタバレ》 カウリスマキ版『ハムレット』で舞台を現代のフィンランドに置き換えています、いわばイーサン・ホークが主演した『ハムレット』の元ネタとも言えます。おそらくセリフをひとつもカットしなかったケネス・ブラナ―版の『ハムレット』の対極に位置する作品で、歴代映画の中ではもっとも尺が短いんじゃないでしょうか。“生きるべきか、死ぬべきか”とか“尼寺に行け”等の有名なセリフは見事にスルーですからね。可哀想に、Wikiでは『ハムレット』の映像化作品にはカウントされてません(泣)。 カウリスマキはこのシェイクスピア劇を悲劇というよりはホラーに近いテイストで解釈している感じです。 またハムレットのキャラも軽薄そうに見えて実は冷酷な男で、オフィーリアも父と共謀してハムレットに陰謀を仕掛ける女だというのも面白いところです。観終わっての感想はカウリスマキ映画にしては珍しくセリフが多かったなと言うことで(まあこれはシェイクスピア劇なんだから当然でしょうが)、会議で唐突に出てくるアヒルちゃんなどちゃんとカウリスマキ印は健在でした。