61. カラー・オブ・ハート
《ネタバレ》 発想や映像の面白さもさることながら、その中に、人間の弱さ・愚かさ・嫌らしさに対するある種の賛美を、ごくさりげなく織り込んでいるのが素晴らしい。色の変化の理由付けと、その出し方・見せ方も見事で、巧者ゲイリー・ロスの面目躍如だと思う。マグワイア、ウィザースプーン、メイシー、ジョアン・アレンという配役も実に適切。美術関係もいい仕事をしている。●再見して気づきましたが、ジョアン・アレンが結局どっちに行ったのかって、わざと曖昧にしているんですね。なぜならそれは、「先がどうなるか分からないからこそ人生は素晴らしい」という作品のテーマを一貫するならば、そうするしかないから。何とも丁寧な脚本です。 [DVD(字幕)] 8点(2005-12-24 03:22:26) |
62. カリブの熱い夜
《ネタバレ》 わざとつまらなくしているのかと思うくらい腑抜けたサスペンス。目標の女性を捜し出す過程に困難と苦闘が・・・と思ったらあっさり発見!その後、その女性と禁断の恋に落ちて、依頼主からは裏切り者として追われ・・・るどころか、あっさり円満に会話している!行方不明になった女性を今度は追って・・・どころか、あっさり目の前に登場!その後は、カリブも何も関係ない単なる都会派サスペンスの展開!いや、一体どうしたらここまでグダグダにできるんでしょうか?それでも3点差し上げるのは、やはり、フィル・コリンズのテーマ曲のため。別に好きな曲ではないが、これを聞くと、当時のヒットチャートの賑やかさと熱さを思い出すのです。 [DVD(字幕)] 3点(2005-08-23 02:48:06) |
63. カラーパープル(1985)
《ネタバレ》 ほとんどが暗く悲しいシーンであり、また長い作品であるが、人間の持ついろいろな面を見せてくれて、また見終わった後もいろいろと考えさせてくれて、簡単に結論が出ないところが良い。●再見してどきっとしたのは、序盤、妻ソフィアへの対応に悩むハーポに対し、セリーがさらっと「殴れば?」と言ってしまうシーンです。彼女は父からも夫からも常に殴られてきたので、「言うことを聞かせる」=「殴る」だと思い込んでいる、というかそれ以外知らない。だから、ほかの人に対しても、その概念以外のことを伝えることができない。こういった連鎖の問題は現在でも着実に存在しますし、85年の時点でそれをするりと映画の中で表現してしまった手腕が素晴らしい。 [DVD(字幕)] 7点(2005-01-06 23:56:02) |
64. 彼女は最高
よく見ると、なかなか面白い会話や意味のあるシーンもあるのだが、演出にめりはりがないので、その価値が大幅に削がれている。各シーンの終わりが、「はい次」みたいな感じ。各人物のキャラクター設定も、あまりうまくいっていない。 4点(2004-08-12 03:20:03) |
65. カーリー・スー
特に期待せずに見たのですが、笑いと涙と人情がうまくブレンドされていて、予想外に楽しく見ることができました。子役の演技の上手さは驚異的ですし、ケリー・リンチも頑張っています。タイトルを日本語表記するとちょっとマヌケなのが難点ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2004-07-06 22:08:58) |
66. 仮面の男(1998/ランドール・ウォレス監督)
四銃士の豪華さだけで目がくらみそうになります。レオ様くらいを持ってこないと、この主役は務まらないでしょうね。こういうのは皆様の個人芸を堪能すればそれだけで十分に楽しめるのですが、大道具と映像がしょぼかったのは残念でした。 [DVD(字幕)] 6点(2003-04-01 23:28:14) |
67. カサブランカ
今更ながらなんだけど、この作品って、舞台を北アフリカにしたのが思いっきり成功しているんですね。全体に常に漂っている、妙なフワフワ感。支配側のドイツ将校も、そんなに殺気立ったものまでは感じない。だから、寓話性を帯びつつも、人々に単純に理解できるラブロマンスとして後世に名を残したのでしょう。同じ亡命の過程でも、パリやマルセイユが舞台だったら、こうはならなかったはず。 [DVD(字幕)] 7点(2003-01-30 00:18:07) |