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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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1.  殺し屋ネルソン 《ネタバレ》 
俺が見たのは海外で販売されたVHS。画質は悪かったが、この映画の面白さを損なうものじゃなかった。  コイツは間違いなくドン・シーゲル初期の最高傑作だ。  圧倒的破壊の全力疾走で見せる見せる見せる、これぞギャング映画と言わんばかりの面白さ。   「ダーティハリー」や「ラスト・シューティスト」といった初っ端からブチかます作品群と比べると、この映画は最初ブッ放さない。  徐々に速度が加速していくタイプの撃ちまくり殺しまくり映画だ。   実在したレスター・ギリス(ベビー・フェイス・ネルソン)の伝記としては実際のネルソンとかなり違うが、アクション映画としてシーゲルのやりたい事が詰め込まれた素晴らしい出来となっている。 ミッキー・ルーニー演じるギリスの凄味!   ビルの群れ、人の群れ、刑務所、ナレーションによるギリスことネルソンの紹介。刑務所を出ていく影、その直後に「Baby Face Nelson(殺し屋ネルソン)」の題名が出る。  迎えの車に乗り、目的地に着き、アジトの階段を上っていく。二人の会話が終わってからやっと人物クレジットが出る。   葉巻の煙を払うように「もう殺しはやらん」とサイレンサー付きの拳銃を返し一度は断るが、運命はギリスを再び殺し合いの中に引きずり込む。   刑務所から解放された喜びからか、浴びるように風呂ではしゃぐ。  久しぶりにあった女と熱いキスを何度も交わす。伝記の白熱球をひねって消し、情事に入ろうとする。その後にちゃんと電球を戻す律義さ。殺し屋としての血がうずく新聞記事。 ヒロインはバーバラ・スタンウィックやクローデット・コルベールに近いタイプのキャロリン・ジョーンズ。   点滅するネオン、バスルームに押し入られ、身に覚えのない拳銃という“罠”、ツバには腹パンで返答される!   さあギリスの“ネルソン”としての復讐劇が加速するのはここからだ。  列車、女が転ぶのはかがんだ標的をネルソンがブチのめすため、銃を奪い、車で運んだ遺体を猛スピードで地面に叩き落とす!   階段に隠れ、ターゲットが上ってきた瞬間に瞬く間に3人を射殺し車で即逃げる。本も死体が音をたてて転がっていくようにバラバラ落ちる演出。   酒を取りに隙を見せ、背中を向けた男の首に銃をつきつける。ガラスを撃ち抜くが一歩遅く、彼等は夜街を駆け抜ける。   脚から胸にかけてのラインを見るエロ医者、何回女とブチュブチュやんだよギリスは(憤慨)。   大火傷を負い包帯で顔を覆った男が渡す新聞、闇夜のブランコで作戦会議。  オフィス襲撃時の緊張。  時計、アイスクリーム屋に化け、警備を潜り抜け、車内では息を潜めてトンプソンを構える。  煙、「STOP」のバーを脚でこじ開け、緊張の糸が弾けた瞬間にトンプソンは火を吹き、金を積んだ車を奪って乗り換え逃げ切る。   仕事仲間の墓穴つくりを、酒を飲みながら見るだけの医者。そりゃスコップも投げたくなりますよ。   日光浴中の彼女に布をかける不器用な愛情、脚に触るエロ医者への嫉妬、愛情の暴走も加速していく。  他の男とちょっと喋っただけでも怒鳴り散らす。防弾とはいえいきなりバカスカ撃つんだから怖い。「裏切ったらマジでブッ殺すぞ」という警告としての発砲。   酒屋の登場で油断した後に現れる“本物”、裏口からの脱出、森の中での銃撃戦、巻き込まれる一般住民。  郵便局員から銀行強盗への早変わり。銃をクリックして脅す。おっちゃん涙目。    女にうつつを抜かす者たちの破滅、新聞の写真に刻まれるマーク。  ネルソンの転落も加速していく。思わぬ情報の流出、指紋手術の失敗、触れない腕で怒りの殴殺と船でドンブラコ。  ラスト20分のフルスピード。  銀行襲撃までのシークエンス、裏をかいて仲間まで“裏切り”閉じ込め、客のいる室内に催涙弾をブチまける。  銃声に異常な反応を示すほど精神的にも追いつめられる。動物狩りを楽しむ子供たちを撃ちそうになる瞬間。  クライマックスのチェイス、警官のバリケードもブチ破り、バックミラー、“死に場所”への直行・・・近づくサイレン、もたれかかり「俺を殺してくれっ!!」の絶叫!凄いラストシーンだ。
[ビデオ(字幕)] 10点(2016-11-24 22:47:06)
2.  ゴッドファーザー PART Ⅱ 《ネタバレ》 
「ゴッドファーザー」は好きなシリーズだが、特に「PARTⅡ」はもう何度見たか解らない。 人によっては「PARTⅠ」こそ最高という人もいるだろう。 だが、俺は冒頭からヴィトの悲劇で始まり、ヴィトが栄光を掴んでいく“光”とマイケルが様々なものを失っていく“闇”が交錯する「PARTⅡ」が一番好きだ。ヴィトだけでなく、マイケルの過去も映されるんだ。ヴィトの思い出と混ざりながら。 初見の者にとって、ヴィトが今後どうなるかが気になって最後まで画面に釘付けにされたのだから。 シチリア島で葬儀が行われるシーンから物語は始まる。父、兄、母親まで地元のギャングに殴りこんで失ってしまうヴィトの悲劇。この瞬間からマイケルの復讐が始まり、同時に彼を救ってくれた島の人々の優しさがヴィトに生きる力と人を助ける愛情を育む。村の名前がヴィトを守る“偽名”となって。だから彼はシチリアに戻って来たのだと思う。困っている仲間や家族を守るために覚悟を決め、彼らの代わりに引き金を引いて。 彼らが奥さんの手作りパスタを美味そうに食べるシーンは和む。どうしてこの映画はあんなにも飯を美味そうに食うのだろうか。クレメンザとソニーは若い頃(物心つく前)からつるむ仲。 前半2時間のクライマックスを飾るのは、そんなヴィト自らが暗殺に向う場面だ。 ヴィトがどん底から這い上がり仲間や家族を得る一方、現代のマイケルは後半1時間30分をかけて最盛期からまた次々に最愛の仲間や家族を失っていく。フレドとコニーの何気ない会話が、別れの挨拶になるなんてさ。 華やかなパーティーですら暗い影が差し、寝室に銃弾の雨が振り込み安心して眠る事も出来ない。 議員も机の上の大砲をマフィアのボスに向けてケンカ腰。 痩せていたアル・ネリは亡きクレメンザの代わりを果たすかのように膨れ上がる。 数多の血みどろの殺し合いの後に、以前のマイケルたちが揃って食事をする場面なんかもう何回見ても泣きそうになっちゃうよ。ソニーは元気だし、コニーにブツブツ言ったりフレドとじゃれあう姿なんて・・・それが独りで煙草を吹かし、現在のマイケルの瞳に光が失われて幕を閉じる。
[DVD(字幕)] 10点(2014-06-26 19:38:01)(良:1票)
3.  荒野の女たち 《ネタバレ》 
ジョン・フォードが本当に撮りたかったもの…それは女たちの生き様だったのではないか。  「我が谷は緑なりき」や「怒りの葡萄」の家族を支える女たちの、「駅馬車」で蔑まれている中だろうが赤ん坊を救うことを選んだ女の、「馬上の二人」の連れ去られ差別に苦しんだ少女の、「メアリー・オブ・スコットランド(スコットランドのメリー)」の王女になってしまった女たちの孤独。  野郎が跋扈する「三人の名付け親」や「捜索者」ですら、男は母親の様に子供を抱きかかえていた。いなくなってしまった女たちの代わりを果たしたかったかのように。  この映画は、冒頭の馬賊が駆け抜けるような映画ではない。理不尽な現実に打ちのめされ、それに抗おうとする弱者たちの静かな“怒り”が渦巻く映画だ。幼い子供たちの、彼等を守る女、女、女たちの。  馬賊たちは後の災厄を予告し、動乱の中国大陸に脚を踏み入れ取り残された人々を振り回していく。   馬に乗って僻地にやって来たカウボーイのような井出達の女医。このアン・バンクロフトのカッコ良さと言ったら。厳粛なキリスト教を笑い飛ばすように煙草をたしなみウイスキーを愉しみ、祈る暇があったら自ら行動し、家族や組織といったしがらみを拒むように孤独な様子を覗かせる。  それが運ばれてきた負傷者を見るやいなや医者として迅速に行動を起こし、病が発生すれば家中を駆けずり回り、貴重な水でも犠牲者を減らすために投げ捨て最善を尽くす。   隔離を告げる看板、ひたすら土を掘り返していた者が座り込み、布の下に眠る死者たちを想い打ちひしがれる。   一難去ってまた一難、建物の向こうで燃え盛る巨大な焔、門の前を通り過ぎる軍隊、扉を開いた瞬間に雪崩れ込む馬賊たち暴力の嵐。監禁と虐殺、けたたましい嘲りがこだまし頭がおかしくなりそうな閉鎖空間。それでも彼女は諦めず己を貫き通す。「汚い手で触んじゃねえっ」と言わんばかりに屈強な大男に平手打ちを喰らわせる気丈さよ!  女たちは老いたはずの肉体で新たな命を産み、女医はそれに応えるために壁を駆け上がり格子を握りしめ怒れるばかりに叫ぶのだ!!   馬賊たちとの取引、土埃にまみれた鏡を一目見て、ベッドに座り込み見せる弱さ、再び立ち上がり覚悟を決めた強さを見せる後ろ姿。虐殺を繰り返してきた者たちまで赤子の誕生に喜んでいるかのようにはしゃぐ奇妙な光景。   馬賊に尽くす女たちもまた犠牲者に過ぎなかった。代わりの女が来れば部屋から追い出され、用済みになればゴミ同然に投げ捨てられる。疲れ切った表情。  だが彼女は何度でも仲間の元に戻り、切り札を手に入れ、敵の懐へ飛び込んでいくことを選び続ける。椅子にふんぞりかえるのは身内同士の決闘で殺し合わせるため、服を着替えるのは寝るためでなく二人っきりの状況を作るために。  たった一人扉にもたれかかり、女たちを見送る視線。彼女が一度でも“祈る”ことがあるとするなら、それは見送ってやることしかできない仲間たちの無事くらいだろうか。   開かれた扉の先で待ち受ける野獣、杯に入れられる切り札、投げ捨てられる杯。医者の道を踏み外すようなことを選んでしまった・救ってやれなかった自分自身への怒りも込めて、彼女は投げ捨てるのだ。   最後の最期まで何かを“投げる”ことを描き続けた、フォードらしい締めくくりだった。
[DVD(字幕)] 9点(2016-11-24 22:41:14)(良:1票)
4.  ゴーン・ガール 《ネタバレ》 
クソ女vsクソ男によるハイレベルなギャグ映画 デヴィッド・フィンチャーによるまったくもって頭にくる実に不愉快な傑作です。キャラに殺意を抱いた映画は久しぶりだ。こういうフィンチャーを俺たちは待っていた!復活じゃー!  冒頭で女の頭をなでる男の視点。「頭蓋骨」というワードが出てくる時点で既に異常さが漂い、観客を揺さぶりはじめる。 バーの棚にたまったパズル、文字通りのグミ打ち、グラスがカウンターの上を流れると同時に過去へ。 男の回想の次は女の回想。このクソぬるい馴れ初め話で観客のイライラを高めていく。「セブン」の簡素さとは正反対だ。殴りたいほど素敵なクソ夫婦ですね。  人生ゲーム 窓ガラスが物語る事件の匂い ところどころに付着する血痕。 長年一緒に暮らしていた筈なのに妻の事をよく知らない男 妻が消えたというのにこの冷静さ。男も男だった。残された手紙の謎。  図書館「表に出ろクソカップル」  メディアリテラシーに踊らされる民衆、ニュース、Twitterであっと言う間に波及していく。  「笑って」で笑えるワケがな・・・って笑っているし( ゚д゚)。 「俺が嫌いでしょ?」 俺ら「当然だよ」  妹さん、もっと言ってやって下さい。 「女に批判されるのは不愉快だ」 黙れヤリチン野郎!何回S●Xしとんじゃわりゃああああっ!!この男がグラスを割ったところで俺の腹筋も崩壊した。  スイーツ(笑)「素敵ね」 まとも「キモ サイテー」  うおああああ!これが後44分も続くと思った時の恐怖は無いぜ!  ところが、後半はこのダメ夫たちとクソ女によるどちらが先に制すかという駆け引きで面白くなる。  アイドル(偶像)を追いかけまわす群衆の恐怖。 クソ完璧な女を演じるアメイジング・ファ●キン・サノバビ●チ・エイミー。アソコも「ザ・ワールド」! ノエル涙目。  「クソ結婚する」 「君のアソコは世界」 なんて素晴らしい訳なんだ。松浦美奈さんには心から敬意を払いたい。  そしてありがとうDQNカップル。どうか末永く爆発してくれ。良いケツしてやがったぜ。スカートをまくるイタズラに笑顔で応えるのは、二人の関係を暗示していた。 金を奪いやがって酷いだ?いいや慈悲深いぜ・・・指や腕をへし折ったり顔面を粉砕したり殺さなかっただけな。殺されなかっただけありがたいと思うんだな。  監視カメラすら利用する計画殺人はデジーの狂気すら凌駕する。デジー逃げて超逃げて。  弁護士のオッチャン、もっと笑ってくれ。   手のひら返しする人々、血まみれで登場する“アイドル”、音楽自重wwww嘘をつくな嘘をwwww  エレンのクソBBAも死ね。氏ねじゃなくて死ね。  マーゴが可哀想だ。デジーはコイツら殴っていいぞマジで。  ロングショットで薄気味悪い笑みを浮かべる女の顔を。殴りてえー。頭蓋骨カチ割りてー。  だから音www楽www自www重www やめろ!二度と観客の前で脱ぐな!てめえの裸体なんざ見飽きたわ!マーゴの美乳おっぱいの方が見たいわ(意味不明)!!!  冒頭で頭を撫でていた男の視点で、この映画は終わる。男は、妹を守るためにこの女を“受け入れる”しかなかった。  クソ完璧なアメイジング・ファッ●ン・サ●バビッチ・アス・エイミーは、「ゾディアック」と同様に野放しにされる殺人鬼なのである。
[DVD(字幕)] 9点(2015-06-08 21:24:31)
5.  コマンドー 《ネタバレ》 
ネタバレ:シュワちゃんが大暴れする(\デエエエェェェェエエエエエンッ/)  コンボイ司令官で楽しむか、桜ひろしで楽しむか。それが問題だが、だったら両方見ればいいだろっ!!!  この映画を5行でまとめると・・・        野郎オブクラッシャーアアアァァァツ!!!
[DVD(吹替)] 9点(2014-12-20 21:17:20)
6.  ゴッドファーザー PART Ⅲ 《ネタバレ》 
前2作と比べると見劣りするかも知れないが、意外にも他と比べて最短となる2時間40分余。その“たった”2時間40分もしないで「ゴッドファーザー」は完結していく。 ヴァチカンが裏社会で闇に染まっている描写にまずビックリするし、ジョーイ・ザザの予想外の逆襲、ヴィンセントの予想以上の活躍、ソフィア・コッポラが予想以上に大根(後に監督として大活躍するとは思えない)で度肝を抜かれるシーンばかり。 相変わらず美味そうにパスタを喰う面々、その直後に「フレドお゛お゛お゛っ」と絶叫するアル・パチーノの哀しみ。老けメイクが凄い。 吹き替えだと長年担当した野沢那智の演技の変化にも注目です。 マイケルがいくら変わってもそれを狙う者は“以前のマイケル”しか知らない。負の連鎖は続く。 バチカンとの全面戦争・・・その果てに待つ悲劇に次ぐ悲劇・・・勝利を得ても、愛する隣人がそこにいなければ何の意味もない。 懐かしい音楽で思い出す、愛しき人の幻想。 最後の絶叫、そして何も言わず力なく眠るマイケルの姿・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-19 20:36:46)
7.  ゴースト/ニューヨークの幻 《ネタバレ》 
んん?この良作までこのサイトのオールドタイプ共は点を低くするのかね?だからこのサイトはダメなんだよ。若い人がどんどん離れていくワケだ。  ニューヨークで起こった男女の数奇な運命を描くロマンス・ファンタジー映画。 愛する男を襲った突然の「悲劇」。 その悲劇が信じられない「奇跡」を生む・・・! ストーリーは恋愛、ファンタジー、ホラーが充実しているが、面白いのは主人公が思いもよらない立場となって真相を知っていくという所。 冒頭のアホみたいなイチャイチャ振りからは想像が付かないほど話がガラリと変わるのだ。点が低い人はその時点で全面撤退しちゃった人もいるだろうね。 あらすじだけ追えば陳腐に見えるストーリーも、本編は奇想天外でありながら実に丁寧な作りをしている。 主人公が何も出来ないもどかしさと戦い、それを努力を重ねて自分の「利点」に成長させる。 主人公の予想以上の「反撃」は胸がスッーとなる事だろう。 これぞ映画だ。 影のヒロインとも言えるウーピー・ゴールドバーグも凄い良かった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-13 19:17:53)
8.  恋人までの距離(ディスタンス) 《ネタバレ》 
「ビフォア・サンライズ」。 とても素敵な映画だ。これほど平和で、これほど人の心を揺さぶる恋愛映画は。  ゲーセンで不良がナンパしてきたり、ギター持った男が奇声をあげてきたり(「スクール・オブ・ロック」)とか、そういうハラハラする“イベント”はまったくないと言っていい。本当に一時の静かな出会いと別れなのさ。 音楽も冒頭と終盤までほとんど無い。  列車の中でふと出会った男女二人。最初は一人で暇な時間を潰すための会話だったが、やがて互いの心の傷を見せ合って溶け合う中となっていく。  列車にはじまり次々と移動して移動して移動して、喋って喋って喋りまくる。結んだ髪もあっと言う間にほどけるくらいに。 なのに不思議と飽きることなく、延々と聴いていたいような穏やかな時間が流れる。街からは出ないけど、移動しまくる様子はこの映画も立派なロードムービーなのだろう。  手相占いのばあさんとか、二人に絡んでくる人々の会話も面白い。  ゲーセンで体ごと動かしてゲームを愉しむ様子。確かに、解ってても体ごと動いちゃうよねーあーいうのって。  人気の無い公園での交わり。 夜が明け、昇るサンライズ(朝日)は別れの時間が迫っている知らせ。 彼女が三つ編みでラフな服装になっているのは事後を物語るのだろうか。  列車の前でハッとして「もう・・・お別れなのね」なんて表情をする場面はもらい泣きしそうになったよ。  続編の「ビフォア・サンセット」も素敵な映画です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-09-03 19:37:30)
9.  コンドル(1939) 《ネタバレ》 
否、ケーリー・グラントのカッコ良さに惚れる逸品である。 ケーリー・グラントと言えばコメディやヒッチコック作品で有名だが、若い頃はもっぱらコメディだ。 しかし、若い頃も落ち着きのある冷静でカッコイイ役もそつなくこなしてる。  冒頭のシーンが凄い。 特撮技術よりも、飛行機音と無線機から聞こえる音響だけでスリリングな着陸シーンを演出してしまう妙技。 ケーリーの演技も相まって、必見のシーンとなっている。  「コンドル」戦争を背景にした航空映画だが、一番の醍醐味は男たちの人間ドラマだ。 「ヘンリー4世」を引用するシーンの粋なやり取り、リチャード・バーセルメスのカッコ良さ、後半から出てくるコミカルなやり取り。 実に硬派で、ロマンティックで、楽しい映画だ。 スクリュー・ボール・コメディではドアや電話といったアイテムのやり取りが殺人的な笑いを産む。 毎回笑いすぎてしばらく腹痛になってしまうのが毎回の悩みだ。 ジーン・アーサーの変貌振りはギャグとしか言いようがない。  男たちの友情に押され気味のジーン・アーサーよりも、一瞬とはいえ元恋人として強烈な印象を残すリタ・ヘイワースの方が魅力的である。  とにかくオススメ!
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-07 20:01:47)
10.  港々に女あり
いやあ、こりゃ本当に楽しい映画だよ。 「女あり」ってタイトルだからルイーズ・ブルックスの魅力を堪能する映画・・・かと思ったらヴィクター・マクラグレンたち船乗りが泣いて笑ってド突き合って仲直りするという楽しい映画でしたよまったく。 流石ホークス、この頃からドッカンドッカン見せてくれる。  ルイーズ・ブルックスのキャラと、ホークス特有の女性の個を尊重する演出が上手くハマッている。余計に魅力的な女性像になっているぜ。 こりゃアメリカで勇名を轟かせるよ。やっぱホークスは女を発掘する達人だね。楽しい一時だった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-12 01:27:43)
11.  孤独な場所で 《ネタバレ》 
「夜の人々」か「孤独な場所で」か。 ニコラス・レイの最高傑作として名高いフィルム・ノワール。  レイの描く人間は、常に内側で暴力を爆発させ痛々しいまでに自分を追いつめる人物描写が多い。  ジェームズ・ディーンを主役にした「理由なき反抗」が良い例で、主人公は元より、主人公の親友までもが内側に向かう暴力によって自分を傷つけてしまう。   「孤独な場所で」は、一度怒りだすと己を抑えられない暴力的な脚本家を主人公にしている。  一度は主人公を愛した女も、やがて彼の暴力性に怯え始める。 愛が恐怖や怒りに変わる時、殺人容疑の真相が明らかにされ、新たな事件が生まれてしまう。   終始何かに突き動かされて苛立つ様子は、何かに怯えるように不安定でじっとしていられない。  まるでルイス・ブニュエルの「エル」のように、精神を病んでいるような様子さえある。恐ろしい映画だった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-06 18:32:40)
12.  攻撃
これは、アルドリッチが自らの最高傑作と述べていた作品だ。 個人的には「ロンゲストヤード」や「キッスで殺せ」の方が最高傑作に相応しいと思うが、戦争映画としてはアルドリッチで一番の作品だと俺も思う。 隅々まで反映された反骨精神、本当の敵は襲い来る兵士ではなく、誤った判断によって自軍を破滅に導く愚かな上司だと言う事。 戦争への皮肉と怒りがふんだんに込められた傑作だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-21 14:16:45)
13.  國民の創生
アメリカで初めて創られた190分もの作品であり、その中には戦争、人種差別、思想など様々な濁流が流れている。 後の「風と共に去りぬ」の骨子がこの映画に詰まっているのだ。 この映画の場面場面で数多く出てくる「絞り」のように、小さな点が大きな光の塊となっていく。 アメリカの南と北、二つの名家にて起こる恋愛、戦争、死の物語を当時のアメリカ社会のうねりと共にドキュメンタリー風に描く。  映画史上初めてのオリジナルの音響、燃え盛る街を背後に逃げ惑う民、強烈なフラッシュ・バック、印象的なカットの繋ぎなどなど・・・一つ一つの場面の完成度。 1890年代終わりのリュミエール兄弟作品、1903年の「大列車強盗」、1910年の「月世界旅行」、そして1915年の「国民の創生」。 前半30分の登場人物の相関、南北戦争の激戦、後半における数々の死と「KKK」の設立、新たなる闘争の決着・・・密度のある映画だ。  ストーリーの流れや演出は文句なしに素晴らしい。  だが、だがである。 リンカンは何故暗殺されたのか。 それは黒人の現状と痛みを理解し、そこに共鳴したからこそ彼らを開放するために戦い、そして殺された。 後のキング牧師やマルコムXたちがそうだったように、肌の色ではなく、心で理解できたからこそ彼は戦ったのだ。 黒人の解放運動、キャメロン家と共に戦う黒人の女性を描いた点は良かった。 ただ、黒人への恨みをそのまま黒人に返す事を目的とした「KKK(クー・クラックス・クラン)」を英雄として描いた部分は残念でならまい。 これこそ正に「面白ければそれでいいのか?」という映画なのだ。  白人に蔑ろにされた憎悪。 その憎悪が白人に向けられ白人を殺す。 そして黒人に家族を殺された白人の憎悪が「KKK」を産んだ。  だが、「KKK」はあくまで黒人への憎しみをたぎらせた組織であり、それが「アメリカ」という国を造り上げたわけではない。 リンカンが死ななければ南北の統一も無かったし、黒人奴隷の苦しみが無ければリンカンが戦い暗殺される事も恐らく無かっただろう。 その憎しみの連鎖が黒人差別の要因である筈なのに、この映画はそれを疎かにしてしまっているのだ。  黒人の苦痛を細部まで理解出来なかったグリフィスの詰めの甘さだけは惜しい。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 17:24:25)
14.  黒蘭の女 《ネタバレ》 
ワイラー版「風と共に去りぬ」。 スペクタクルを期待する人間には少々物足りないかも知れないが、普通のメロドラマを期待する人には充分な作品。 少なくとも俺は「風と共に去りぬ」よりも好きだ。 ベティ・デイヴィスの演技が良い。気が強くワガママだったヒロインは、やがて気丈で落ち着きのある大人の女性へと成長していく。 物語は南北戦争を背景に男女の複雑な絡み合いを見せる。 彼女の着た「真紅のドレス(白黒画面では黒衣のドレスにしか見えない)」は別れの印か。彼女は“ジイゼベル”と呼ばれる男を狂わせる女なのだろうか。 いや、感情こそ激しいがラストの彼女の姿は気高い一人の女性でしか無い。病なんて関係ない。だって彼を愛しているのだから。 愛する男を殺そうとする病が、再びヒロインと彼を結びつけるとは何とも皮肉なものだ。   「そうだ明日があるは」何て事言いやがる女と、病が染つるかも知れない男に「愛しているから」ってだけで追いていく女、どっちが良いよ。俺は後者だね。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-11 21:23:03)(良:1票)
15.  荒野の七人 《ネタバレ》 
西部劇の最高傑作かどうかは解りませんが「最高の1つ」という事ならば迷うことなく選ぶ傑作。「七人の侍」と「駅馬車」大好きな私にはドストライクな1本です。実際に戦場から帰って来た男たちの面構え。村を守るために街に助けを求めて繰り出す村人たち。それに応じた七人のアウトローたち。冷静沈着な参謀クリス、頼りになるヴィン、未熟ながら機転が効き果敢に戦うチコ、賞金目当てのハリー、子供好きなオライリー、死に場所を求めるリー、ナイフも得意な凄腕のブリット。原作以上に個性豊かなキャラクター、2時間とコンパクトにまとめられたストーリー。原作に比べるとストーリーの厚みは無いのですが、純粋なアクションとドラマの掛け合いが面白い作品に仕上がっていると思います。ただ惜しむべきは悪党カルヴェイラの「傲慢と甘さ」。あの時撃っていれば・・・!ラストの壮絶なファイトは凄いのですが、何だか「殺りそこねたので取り敢えず」感が否めませんでした。けれどもリーの決意と最期。あれを描いた事でこの作品は意味があるなと思いました。彼の安らかな死に顔が全てを語ってくれます。そして村長と語らい悠々と去っていく男たち、村人と絆を結び「水と油」では無くなった瞬間・・・私は好きです。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-07 17:30:25)
16.  ゴッドファーザー 《ネタバレ》 
「ゴッドファーザー」は続編の「Part2」の方が一番面白いし大好きだが、初代も好きだ。 この作品は「映画の面白さ」というものを教えてくれる作品の一つだ。 魅せる、語る、惹きつける。 一度見ただけでは解らない。しかしこの映画には何度も見たくなるような面白さと仕掛けが散りばめられている。 一回で理解できるシーンも多いが、一番のミソは見れば見るほど理解を深められる作品だと思う。二度見てこそ、いや見れば見るほどその圧倒的な世界観に惹き込まれる。 一見すると「マフィアの暴力礼讃」のようにも見えるが、この映画の訴えたいことは「暴力の愚かさ」しかない。 暴力を振るえば振るうほど失っていく大切な何か。 「家族」とファミリーという名の「組織」。 この二つを守った者と、守りきれなかった者。 その二人の人間の光と闇を見せ付けられる。  この映画に溢れる「生」。 家族と語り合い、食事をし、人を愛す。 その裏で繰り返される破壊と「死」。 特にpart2では壊れていくマイケルの家族が「死」として、家族を創っていくヴィトが「生」として見て取れる。 このゴッドファーザーは、マリオ・プーゾの原作小説を元に描かれるが、元々は1本だけで済ます予定だった。 ところが、映画の人気が、マイケルたちの行く末やコッポラの人生まで左右し始める。 part1ではマイケルの青春とその終わり、 part2では父の光を通してマイケルが闇に堕ちていく様子を描き、 part3ではマイケルの苦悩と挫折に満ちた幕引きで終わる。 一人の男が何を成し、何を失っていったか。 それが実に心に響く。 哀しみに満ちちゃあいるが、何故か不快な感じはない。 これほど飯が食いたくなる映画は無い! みんな美味そうに飯食うんだもん。 クレメンザが頬張ってたパスタとサンド、ワイン。 ガツガツ食べてみんな死んで行く・・・。 特にpart3を見た後だと、無性にpart1やpart2のマイケルやソニーたちに会いたくなんだよな・・・。 マーロン・ブランドのしゃがれ声、 ジェームズ・カーンの兄貴ぶりなど、俳優陣の演技は全て素晴らしい(タリアは除く) アル・パチーノの演技も素晴らしいの一言。  ソニーとコニーは「暗黒街の顔役」と「悪い奴ほどよく眠る」、中盤の車の爆発は「ビッグ・ヒート/復讐は俺に任せろ」を思い出す。本当に映画が好きなんだなあコッポラは。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-29 15:49:30)
17.  これらのいやな帽子 《ネタバレ》 
「これらのいやな帽子(迷惑帽子)」。 椅子に座った観客が見つめる先、壇上の上では何やら揉め事。どうやら映画のフィルムの様だ。フィルムは溶けたりして映像が乱れ、場面がパッと切り替わったり。 それを遮るように帽子を被った女性が観客の中に現れる。満席なので彼女が去ろうとした時、胡散臭い髯を生やしたオッサンが彼女を引き戻し、観客はそのオッサンにキレだし、現実世界まで映像が乱れ始めメタな展開に。  一難去ってまた一難、派手に飾り立てた女性がどんどん増えていき遂には頭上からクレーンまで降りてきて飾りや貴婦人そのものをさらっていってしまう。拍手するとこが違うわww
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2017-05-27 01:32:24)
18.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 
やっぱマグロ食ってるようなのとは違うな。  ハリウッドにおける“最初”のゴジラ!こういう奴を待っていたんだぜハリウッドよおっ!  何?ローランド・エメリッヒのイグアナもどき?あんなもんは「ジラ」だ「ジラ」!  オープニングの緊張、それにあのゴジラのディティールは最高だった。  ただ、オープニングが終わってから中々ゴジラが出てこねえ。初代みたいに焦らすのは良い。 ただ焦らしすぎ&「やっときたー!」って時に切り替えすぎなんだよボケゴラ。  ええい人間はいい!ゴジラを出せゴジラを!!  それにゴジラよりもオルガズム武藤の方が出番多かったね。 人間ドラマもやりすぎてちょっとくどかった。でも栗林中将(「硫黄島からの手紙」で名演を残した渡辺謙!)の「ゴジラ」を聞けただけでも良しとするか。  もっとゴジラが「ファイナルウォーズ」みたいに大暴れする(特に例のイグアナもどきを吹き飛ばす奴)のを期待した俺にはちょっと物足りなかった。
[DVD(字幕)] 8点(2015-08-27 00:23:34)
19.  告発 《ネタバレ》 
俺個人は同じ刑務所&法廷劇なら「父の祈りを」の方が惹かれるが、この作品も一度は見ておきたい作品だ。 膨大なセリフと悲惨な場面で観客を殴りつけるこの映画は、「ザ・デッド/「ダブリン市民」より」の撮影を手掛けたフレッド・マーフィのキャメラによって観客に一切の退屈を与えず、画面に釘付けにする。釘付けにするが、落ち着きのない感じがイラつかせる。それだけマーフィもカメラを通して怒りに震えているのだろうか。 漆黒の画面から響く悲鳴、ニュースフィルムは看守を英雄として祭り上げ、人を襲った害獣のようにさらされる。 5分が10分以上に感じられるこの重苦しさ、刑務所の閉鎖的圧迫感が囚人を、看守たちをどんどん狂わせる。まして独房のすぐ外には家族がいる。家族には愛想を振りまき、そのストレスを囚人たちにブチまけざる負えないほど自分たちを追い込む。 髭剃りをミスッただけで鏡を割ってしまうほどキテいる連中ばかり。だが、独房に押し込められた囚人にはそれ以上の孤独と恐怖が圧し掛かる。裸で震えながら祈り、話し相手はクモとネズミとゴキブリくらい。 あれだけ痛められて必死に耐えて耐えまくり、裏切り者への復讐。だが本当に殺してやりたかったのは自分を痛めつけた看守たちだった筈だ。 脱走兵が自分達の家族に手を出したらどうなるのだろう。そんな危険はないとタカをくくる。護送中の看守が不意に子供に襲い掛からない保障など何処にもないというのに。その時点でアルカトラズそのものの傲慢を感じられる。 主人公を助けようとする弁護士もまた、助けたいという善意と大罪を暴いて勝利に酔いしれたいという欲望がせめぎ合っているようにも見える。 最後に主人公が見せる笑顔は、喜びと同時に「もういつ死んでもいいや」という諦めでもある。 あれほど高揚感を得られない勝利の瞬間があるだろうか。陪審員の描写の少なさも気になった。 弁護士と主人公がトランプをやる一時ももっと描いて欲しかった。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-14 20:15:19)
20.  ゴーストバスターズ(1984) 《ネタバレ》 
街中に潜む「ゴースト」を電気放射銃で捕獲していくSFホラー映画「ゴーストバスターズ」。 ゴテゴテした装備、敵との激しい格闘、無駄にカッコつけるラスボスと厨二病をくすぐる展開が懐かしい。 特にクライマックスでマイコーもどきのラスボスが上空にブワアッと舞うシーンはちょっとワクワクしてしまった。 「あまちゃん」で電車乗りのオッサンが「ゴーストバスタアアアアァァァズ」と絶叫していたのを思い出した。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-11 04:22:59)
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